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 【判例】墓石設置妨害排除請求事件 (平成14年1月22日最高裁)墓石設置妨害排除請求事件

(平成14年1月22日最高裁)

事件番号  平成12(受)1084

 

最高裁判所の見解

寺院が檀信徒のために経営するいわゆる寺院墓地においては,

寺院は,その宗派に応じた典礼の方式を決定し,

決定された典礼を施行する自由を有する。

 

したがって,寺院は,墓地使用権を設定する契約に際し,

使用権者が当該寺院の宗派の典礼の方式に従って

墓石を設置する旨の合意をすることができるものと解され,

その合意がされた場合には,たとい,

使用権者がその後当該宗派を離脱したとしても,

寺院は,当該使用権者からする当該宗派の典礼の方式とは

異なる宗教的方式による墓石の設置の求めを,

上記合意に反するものとして拒むことが

できるものと解するのが相当である。

 

これを本件についてみると,前記の事実関係によれば,

本件墓地は,D宗に属する寺院である上告人が,

信徒及びその親族ら有縁者のために経営する寺院墓地であり,

被上告人は,本件墓地区画の永代使用権を取得するに当たり,

D宗の定める典礼の方式に従って墓石を設置することに

合意したものであるところ,D宗が定める典礼の方式によると,

墓石に刻する題目は当該墓地が属する寺院の住職が

書写したものであることを要するとされている。

 

そして,被上告人が設置を求める本件墓石の題目は

上告人の住職が書写したものではなく,また,

本件墓石は宗教的方式によらないものとはいえないから,

題目が外形上は上告人の住職の書写したものと類似していたとしても,

本件墓石はD宗の定める典礼の方式とは

異なる宗教的方式によるものであることが明らかである。

 

そうすると,本件においては,上告人は,

上記合意に反するものとして,

被上告人が本件墓地区画に本件墓石を設置することを

拒むことができるというべきである。

 

したがって,これと異なる原審の前記判断には,

判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,

原判決は破棄を免れない。

 

そして,前記説示によれば,

被上告人の本件請求はいずれも理由がないから,

この請求を認容した第1審判決を取り消し,

被上告人の請求を棄却することとする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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