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【判例】いわゆる配転無効確認の訴えが係属している場合に解雇の意思表示がされたときと訴えの利益 (平成3年2月5日最高裁)いわゆる配転無効確認の訴えが係属している場合に解雇の意思表示がされたときと訴えの利益

(平成3年2月5日最高裁)

事件番号  平成1(オ)694

 

最高裁判所の見解

労働者が配置転換命令に基づいて

労働する義務を負わないことの確認を求める訴え

(いわゆる配転無効確認の訴え)を

提起して訴訟を遂行している場合に、

使用者が労働者を解雇する旨の意思表示をして

その雇用契約上の地位を争ったときは、

労働者が中間確認の訴えの提起又は訴えの追加的変更の申立てなどの

方法によりその雇用契約上の地位の確認を

求める訴え(いわゆる地位確認の訴え)を提起して

右の地位を法律上確定しておくことが、

労使間の紛争の解決という点からも裁判所ないし

訴訟制度の在り方という点からも望ましいことはいうまでもない。

 

しかし、このような場合に、

労働者が地位確認の訴えを提起しなかったからといって、

右の労働者に配転無効確認の訴えについて

判決を求める利益がないということはできない。

 

ただ、このような場合に労働者が

地位確認の訴えを提起しなかったときにも、

裁判所は、労働者が雇用契約上の地位を有するかどうか、

換言すれば、使用者のした解雇の意思表示が

その効力を生じたかどうかにつき、まず、

審理判断せざるを得ないのであって、その結果、労働者が

(ア)もし雇用契約上の地位を有するのであれば、

進んで配転無効確認の訴えにかかる請求の理由の有無につき

審理判断すべきであり、また、

(イ)もし雇用契約上の地位を失ったのであれば、

そのことの故をもって配転無効確認の訴えを却下すべきである

(もっとも、使用者のした解雇が当該配置転換命令に労働者が

従わないことのみを理由とするときは、

解雇の効力の有無はもっぱら

配置転換命令の効力の有無如何にかかることとなり、

解雇の効力につき判断することは、とりもなおさず、

配置転換命令の効力すなわち

本案についての判断を示したこととなるから、

配転無効確認の訴えにかかる請求は、これを棄却すべきである)。

 

したがって、単に被上告人が上告人に

解雇の意思表示をしたという事実を確定したのみで、

右解雇の意思表示が効力を生じたかどうかについて

何ら審理判断することなく、

直ちに本件訴えを不適法として却下すべきものとした原審の判断は、

到底是認し得ないものといわなければならない。

 

四 以上によれば、本件訴えを却下した原判決には法令の

解釈適用を誤った違法があり、

右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。

したがって、原判決はすでにこの点において

破棄を免れないものであるから、

上告理由についての判断を省略し、

被上告人のした解雇の効力の有無等につき

さらに審理を尽くさせるため、

本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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