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【判例】割賦販売法30条の4第1項新設前の個品割賦購入あつせんにおける売買契約上の抗弁とあつせん業者に対する対抗の可否 (平成2年2月20日最高裁)割賦販売法30条の4第1項新設前の個品割賦購入あつせんにおける売買契約上の抗弁とあつせん業者に対する対抗の可否

(平成2年2月20日最高裁)

事件番号  昭和59(オ)1088

 

最高裁判所の見解

購入者が割賦購入あっせん業者(以下「あっせん業者」という。)の

加盟店である販売業者から証票等を利用することなく

商品を購入する際に、あっせん業者が購入者との契約及び

販売業者との加盟店契約に従い販売業者に対して

商品代金相当額を一括立替払し、購入者があっせん業者に対して

立替金及び手数料の分割払を約する仕組みの個品割賦購入あっせんは、

法的には、別個の契約関係である購入者・あっせん業者間の

立替払契約と購入者・販売業者間の

売買契約を前提とするものであるから、

両契約が経済的、実質的に密接な関係に

あることは否定し得ないとしても、

購入者が売買契約上生じている事由をもって

当然にあっせん業者に対抗することはできないというべきであり、

昭和五九年法律第四九号(以下「改正法」という。)による

改正後の割賦販売法三〇条の四第一項の規定は、

法が、購入者保護の観点から、

購入者において売買契約上生じている事由を

あっせん業者に対抗し得ることを新たに認めたものにほかならない。

 

したがって、右改正前においては、購入者と販売業者との間の

売買契約が販売業者の商品引渡債務の不履行を原因として

合意解除された場合であっても、

購入者とあっせん業者との間の立替払契約において、

かかる場合には購入者が右業者の

履行請求を拒み得る旨の特別の合意があるとき、

又はあっせん業者において販売業者の

右不履行に至るべき事情を知り若しくは知り得べきでありながら

立替払を実行したなど右不履行の結果をあっせん業者に帰せしめるのを

信義則上相当とする特段の事情があるときでない限り、

購入者が右合意解除をもってあっせん業者の

履行請求を拒むことはできないものと解するのが相当である。

 

これを本件についてみるに、本件立替払契約及び本件売買契約は、

改正法が施行された昭和五九年一二月一日より前に締結されたものであって、

前記改正後の割賦販売法三〇条の四第一項の規定は

適用されないところ(改正法附則六項)、

訴外会社が、上告人の加盟店として

本件立替払契約の締結の衝に当たり、

本件合意解除の当時も上告人の加盟店であって、

被上告人B1との間で本件合意解除に伴う諸問題を責任をもって

処理する旨約したとの前示事実があっても、

それだけでは、前述のような特別の合意ないし

特段の事情があるときには当たらないというべきである。

 

もっとも、記録によれば、

本件立替払契約に係る契約書(甲第一号証)の契約条項8(1)には、

商品の瑕疵又は引渡の遅延が購入目的を

達成することができない程度に重大であり、

購入者がその状況を説明した書面をあっせん業者に提出し、

右状況が客観的に見て相当な場合には、

購入者は瑕疵故障等を理由にあっせん業者に対する支払を

拒むことができる旨規定されていることは明らかであるが、

これが前示特別の合意に当たるとしても、

被上告人B1において右手続を履践するなど上告人に対する

支払を拒み得る場合に該当する事実は、

なんら確定されていない。

 

してみれば、叙上の説示に従い特別の合意ないし

特段の事情の存否について判示することなく、

前示事実のみから直ちに上告人の本訴請求が

信義則に反して許されないとした原審の判断は、

法令の解釈適用を誤り、ひいて審理不尽、

理由不備の違法があるものというべく、

右違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、

論旨は、この趣旨をいうものとして理由がある。

 

そして、本件については、更に審理を尽くさせる必要があるから、

これを原審に差し戻すのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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