スポンサードリンク

【判例】北海道海面漁業調整規則違反 (平成8年3月26日最高裁)北海道海面漁業調整規則違反

(平成8年3月26日最高裁)

事件番号  平成4(あ)466

 

最高裁判所の見解

漁業法六五条一項及び水産資源保護法四条一項の規定に基づいて

制定された北海道海面漁業調整規則

(昭和三九年北海道規則第一三二号。以下「調整規則」という。)中、

一定の漁業を禁止する旨の規定(制定当初の三六条)は、

本来、北海道地先海面であって、右各法律及び

調整規則の目的である水産資源の保護培養及び

維持並びに魚業秩序の確立のための漁業取締り

その他漁業調整を必要とし、かつ、

主務大臣又は北海道知事が漁業取締りを行うことが可能である範囲の

海面における漁業、すなわち、以上の範囲の、

我が国領海における漁業及び公海における日本国民の

漁業に適用があるものと解される。

 

そして、前記各法律及び調整規則の

目的とするところを十分に達成するためには、

何らの境界もない広大な海洋における水産動植物を対象として

行われる漁業の性質にかんがみれば、

日本国民が前記範囲の我が国領海又は公海と連接して

一体をなす外国の領海においてした調整規則の規定に

違反する行為をも処罰する必要のあることは、

いうをまたないところであり、それゆえ、

その罰則規定は、当然日本国民がかかる外国の領海において

営む魚業にも適用される趣旨のものと解するのが相当である。

 

すなわち、右規定違反の行為については、

前記の目的を持つ前記各法律及び調整規則の性質上、

我が国領海内における右規定違反の行為のほか、

前記範囲の公海及びこれらと連接して一体をなす

外国の領海において日本国民がした調整規則違反の

行為(国外犯)をも処罰する旨を定めたものと解すべきである。

 

以上は、当裁判所の判例(最高裁昭和四四年(あ)第二七三六号

同四六年四月二二日第一小廷判決・刑集二五巻三号四五一頁)の

示すところである。

 

そして、この理は、調整規則(平成二年北海道規則第一三号による

改正前のもの。以下同じ。)五条一五号の

かにかご漁業の無許可操業の禁止規定及び

その罰則規定である調整規則五五条一項一号にも当てはまるほか、

外国のいわゆる排他的経済水域において

日本国民が営む漁業にも適用されるものであり、

そのことは、右判例の趣旨に照らして明らかである。

 

原判決の認定するところによれば、

本件採捕の対象とされた花咲がに及び毛がには、

a付近の三角水域と称される海域と北海道沿岸を

移動しながら生息するものであって、

a付近におけるかに漁が北海道沿岸のかに漁に重大な影響を及ぼす関係にあり、

本件操業海域は前記の我が国領海又は公海と連接して

一体をなす海面に属するものであること等に照らすと、

aに対して現在も事実上我が国の統治権が及んでいない状況にあるため

北海道知事が日本国民に対しa付近における

かにかご漁業の許可を与えることが実際にはできないとしても、

なお調整規則五条一五号によって日本国民が

本件操業海域において同号に掲げるかにかご漁業を営むことは禁止され、

これに違反した者は調整規則五五条一項一号による

処罰を免れないと解すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク