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【判例】商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3(平成元年9月21日最高裁)商法(昭和56年法律第74号による改正前のもの)266条ノ3

(平成元年9月21日最高裁)

事件番号  昭和59(オ)15

 

最高裁判所の見解

1 原審は、本件各手形の手形金合計六七六二万五二九五円に相当する

損害金に対する附帯請求として、上告人らに対し、

(一) 本件各手形のうち適法に呈示された一四通の約束手形の

手形金合計額に相当する六六三五万〇七九五円に対する

各支払期日以後である昭和四八年一二月三一日から

支払済みに至るまで年六分の割合による金員、

(二) 本件各手形のうち呈示期間内に呈示されなかった約束手形一通の

手形金額に相当する一二七万四五〇〇円に対する

本件訴状送達の日の翌日(上告人A1及び同A2につき

同四九年八月九日、上告人A3につき同月六日)から

支払済みに至るまで年六分の割合による金員の各支払を命じている。

 

2 しかしながら、被上告人が主張する商法(昭和五六年法律第七四号による

改正前のもの)二六六条ノ三第一項前段所定の損害は、

本件各手形の手形金の支払を得られなかった時点で確定的に発生し、

以後手形法所定の法定利息の額に相当する損害を生ずる余地はなく、

したがって、被上告人の右附帯請求は、

右手形金相当の損害賠償債務の遅延損害金を請求するものと解すべきところ、

右損害賠償債務は、法が取締役の責任を加重するため

特に認めたものであって、不法行為に基づく

損害賠償債務の性質を有するものではないから

(最高裁昭和三九年(オ)第一一七五号同四四年一一月二六日大法廷判決・

民集二三巻一一号二一五〇頁、同昭和四九年(オ)第七六八号

同年一二月一七日第三小法廷判決・民集二八巻一〇号二〇五九頁参照)、

履行の請求を受けた時に遅滞に陥り、かつ、

右損害賠償債務は、商行為によって生じた債務ともいえないものであるから、

その遅延損害金の利率は民法所定の

年五分の割合にとどまることが明らかである。

 

そうすると、被上告人の附帯請求のうち、

「金六七六二万五二九五円に対する本件訴状送達の日の翌日から

支払済みに至るまで年五分の割合による金員」を超える金員、

すなわち、金六六三五万〇七九五円に対する

昭和四八年一二月三一日から本件訴状送達の日まで

年六分の割合による金員及び金六七六二万五二九五円に対する

本件訴状送達の日の翌日から支払済みに至るまで

年五分を超える割合による金員の

各支払請求をも認容すべきものとした原判決には、

法令の解釈適用を誤った違法があり、

右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかというべきであるから、

右部分につき、原判決は破棄を免れず、前記説示に照らし、

被上告人の附帯請求中、右各金員の支払請求を

棄却した部分に関する被上告人の控訴は失当として

棄却すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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