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【判例】地方公務員法28条4項、16条2号は、憲法13条、14条1項に違反するか (平成元年1月17日最高裁)地方公務員法28条4項、16条2号は、憲法13条、14条1項に違反するか

(平成元年1月17日最高裁)

事件番号  昭和62(行ツ)119

 

最高裁判所の見解

所論は、地方公務員法(以下「地公法」という。)二八条四項、一六条二号は

憲法一四条一項及び一三条に違反するというものである。

 

地公法二八条四項、一六条二号は、

禁錮以上の刑に処せられた者が地方公務員として

公務に従事する場合には、その者の公務に対する

住民の信頼が損なわれるのみならず、

当該地方公共団体の公務一般に対する

住民の信頼も損なわれるおそれがあるため、

かかる者を公務の執行から排除することにより

公務に対する住民の信頼を確保することを目的としているものであるところ、

地方公務員は全体の奉仕者として

公共の利益のために勤務しなければならず(憲法一五条二項、地公法三〇条)、

 

また、その職の信用を傷つけたり、

地方公務員の職全体の不名誉となるような

行為をしてはならない義務がある(同法三三条)など、

その地位の特殊性や職務の公共性があることに加え、

わが国における刑事訴追制度や刑事裁判制度の実情のもとにおける

禁錮以上の刑に処せられたことに対する

社会的感覚などに照らせば、地公法二八条四項、

一六条二号の前記目的には合理性があり、

地方公務員を法律上このような制度が設けられていない

私企業労働者に比べて不当に差別したものとはいえず、また、

条例に特別の定めがある地方公共団体の地方公務員と

右特別の定めがない地方公共団体の地方公務員との間には

失職に関しその取扱いに差異が生ずることになるが、

それは各地方公共団体の自治を尊重した結果によるものであつて

不合理なものとはいえず、地公法二八条四項、一六条二号が

憲法一四条一項、一三条に違反するものでないことは、

当裁判所の判例(昭和三一年(あ)第六三五号

同三三年三月一二日大法廷判決・刑集一二巻三号五〇一頁、

同三七年(オ)第一四七二号同三九年五月二七日大法廷判決・

民集一八巻四号六七六頁、同五七年(あ)第六二一号

同六〇年一〇月二三日大法廷判決・

刑集三九巻六号四一三頁)の趣旨に徴して明らかである。

 

論旨は、採用することができない。

同第四について

所論のうち地公法二八条四項、一六条二号は

憲法三一条に違反するという点については、

地公法二八条四項、一六条二号に基づく失職の効果は禁錮以上

の刑に処せられたことにより発生するものであつて、

任命権者による行政処分により発生するものではないから、

行政処分における公正な手続の要請はこれを考慮する余地がないのみならず、

禁錮以上の刑に処せられる場合には厳格な刑事訴訟手続のもとで

被告人に防御の機会が与えられているのであり、

禁錮以上の刑に処せられたかどうかの点につき

あらためて防御の機会を与える必要がないことなどからみれば、

所論憲法三一条違反の主張は、前提を欠くものと解するほかはない。

 

また、地公法二八条四項、一六条二号が

憲法一四条一項に違反するものでないことは

前記判示のとおりであるから、

所論のうち憲法一四条一項違反の主張は理由がない。

論旨は、採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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