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【判例】安全措置を講ずべき業務上の注意義務(平成26年7月22日最高裁)安全措置を講ずべき業務上の注意義務

(平成26年7月22日最高裁)

事件番号  平成24(あ)59

 

この裁判は、

国から占用許可を得て市が公園の一部として開放し

維持管理していた人工砂浜での埋没事故について,

同砂浜を含む海岸における工事の監督,巡視や

海岸保全施設の管理等の事務を担当していた国土交通省職員に

同砂浜に関する安全措置を講ずべき

業務上の注意義務があったとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

本件砂浜は,本件かぎ形突堤とともに,国が所有権を有し,

国の直轄工事区域内に存在し,これが造成されてから

本来の海岸管理者である兵庫県知事に

引き渡されたことは一度もないこと,

国は本件砂浜を含めて大蔵海岸についての

占用許可を明石市に対して与えており,本件砂浜も

国の一般的な管理下にあることを前提とした

行動をとっていると理解できること,

前記直轄工事区域内の海岸保全施設の

維持管理を国がしていたことなどからすれば,

本件砂浜についても,国がその安全管理をすべき

基本的責任を負っていたというべきである。

 

その責任を担うべき組織としては,

大蔵海岸を含む東播海岸の海岸保全施設に関する工事等を主な業務とし,

海岸管理者の代行権限を実際上行使していたと

認められる姫路工事事務所であって,

海岸保全施設の管理を行っていた東播海岸出張所は,

その具体的担当部署の一つであったと認められる。

そして,本件当時,本件砂浜の日常的な管理は国から

占用許可を得ていた明石市が行っていたが,

国と明石市の間には,本件覚書を含めて,

本続発のような異常事態への対応については

明確な取決めがなかった。

 

そのような中,姫路工事事務所は,市海岸・治水課から,

平成13年6月には,本件砂浜の陥没発生状況やその原因について

情報提供を受けて抜本的な対策工事を行うよう要請され,

同市と共に陥没対策に取り組み始めていた。

 

また,その当時から本件かぎ形突堤の瑕疵が原因で

隣接する本件砂浜が陥没していると考えられており,

国は所有する本件かぎ形突堤の安全管理という面からも

周囲に及ぼす影響への対策を求められる立場にあったといえる。

 

これらの事情に照らすと,本件当時,本件砂浜の具体的な

安全管理が明石市のみに委ねられていたとはいえず,

国の組織である姫路工事事務所もその責任を負い,

その具体的担当部署の一つである東播海岸出張所としては,

自ら又は明石市に対して要請するなどして,

本件砂浜の安全管理を具体的に行うべき立場にあって,

明石市は,海岸管理者の代行権限者である国から占用許可を

受けた者として監督を受ける地位にあり,

国と共に本件砂浜の陥没対策に取り組んでいたのであるから,

東播海岸出張所の要請に応じないことはなかったと認められる。

 

そうすると,東播海岸出張所の所長であった被告人甲については,

その地位や職責,権限に加え,その職務の遂行状況が,

前記のとおり,本件のような事故を防止すべく

本件砂浜の陥没対策に関して国側担当者として

活動していたものであることなどに照らし,

遅くとも打合せの席上で明石市から国としての対応を求められた

同年6月以降,国土交通省による陥没対策工事が終了するまでの間,

東播海岸出張所自ら又は明石市に要請して安全措置を講じ,

陥没等の発生により公園利用者等が

死傷に至る事故の発生を未然に防止すべき

業務上の注意義務があったと認められる

 

したがって,被告人甲に本件砂浜に関する

安全措置を講ずべき業務上の

注意義務があるとした原判決は,相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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