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【判例】憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」 (平成元年6月20日最高裁)憲法98条1項にいう「国務に関するその他の行為」

(平成元年6月20日最高裁)

事件番号  昭和57(オ)164

 

最高裁判所の見解

憲法九八条一項は、憲法が国の最高法規であること、すなわち、

憲法が成文法の国法形式として最も強い形式的効力を有し、

憲法に違反するその余の法形式の全部又は一部は

その違反する限度において法規範としての本来の効力を

有しないことを定めた規定であるから、同条項にいう

「国務に関するその他の行為」とは、同条項に

列挙された法律、命令、詔勅と同一の性質を有する国の行為、

言い換えれば、公権力を行使して法規範を

定立する国の行為を意味し、したがつて、

行政処分、裁判などの国の行為は、個別的・具体的ながらも

公権力を行使して法規範を定立する国の行為であるから、

かかる法規範を定立する限りにおいて国務に関する行為に

該当するものというべきであるが、国の行為であつても、

私人と対等の立場で行う国の行為は、

右のような法規範の定立を伴わないから

憲法九八条一項にいう「国務に関するその他の行為」に

該当しないものと解すべきである。

 

以上のように解すべきことは、

最高裁昭和二二年(れ)第一八八号同二三年七月七日大法廷判決・

刑集二巻八号八〇一頁の趣旨に徴して明らかである。

 

そして、原審の適法に確定した事実関係のもとでは、

本件売買契約は、国が行つた行為ではあるが、

私人と対等の立場で行つた私法上の行為であり、

右のような法規範の定立を伴わないことが明らかであるから、

憲法九八条一項にいう「国務に関するその他の行為」には

該当しないものというべきである。

これと同旨に帰する原審の判断は、正当として是認することができる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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