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【判例】所得税法244条1項にいう「使用人その他の従業者」 (平成9年7月9日最高裁)所得税法244条1項にいう「使用人その他の従業者」

(平成9年7月9日最高裁)

事件番号  平成8(あ)637

 

最高裁判所の見解

原判決の認定によれば、被告人Aは、

「高須クリニック」の名称で全国に八箇所の

美容整形外科診療所を経営する医師であり、

被告人Bは、その実母であるが、被告人Bは、

名古屋、福岡等西日本地区四箇所に

所在の各診療所における診察料の集計、管理、日計表の記帳等の

窓口事務の責任者であったC及び

東京、札幌等東日本地区四箇所に所在の各診療所における同様の

窓口事務の責任者であったDと共謀の上、被告人Aの業務に関し、

その所得税を免れようと企て、C、Dに指示して

手術料等の診療収入を日計表等に記載させずに

自己の下に届けさせるなどの所得秘匿工作をした上、

情を知らない経理事務員に右日計表等を基に各種帳簿に記入させるなどし、次いで、

情を知らない税理士に右帳簿に基づいて所得金額を過少に記載した

内容虚偽の所得税確定申告書を税務署長に提出させて、

被告人Aの所得税を免れたというのである。

 

所得税法二四四条一項にいう「使用人その他の従業者」は、

所論のような所得の計算や所得税確定申告書の作成などの

申告納税に関する事務を担当する従業者に限定されないものと解されるから、

C、Dをこれに該当すると認めた原判断は、正当である。

 

また、被告人Bは、被告人Aの従業者ではないが、

C、Dと共謀して、同法二三八条一項の所得税ほ脱の違反行為に

加功したというのであるから、被告人Bには平成七年法律第九一号による

改正前の刑法六五条一項の適用により所得税ほ

脱の共同正犯が成立すると解するのが相当である。

 

そして、被告人Aは、従業者であるC、Dの行為について、

事業主としての過失責任を負うことが明らかであるから、

以上と同趣旨の見解の下に、

被告人両名にほ脱犯の成立を認めた原判断は、正当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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