スポンサードリンク

【判例】手形に保証の趣旨で裏書をした者が原因債務につき保証をしたものと推認するのが相当とされた事例 (平成2年9月27日最高裁)手形に保証の趣旨で裏書をした者が原因債務につき保証をしたものと推認するのが相当とされた事例

(平成2年9月27日最高裁)

事件番号  昭和63(オ)1570

 

最高裁判所の見解

 

金銭を借用するに当たり、借主が貸主あてに担保のため

振り出した約束手形に保証の趣旨で裏書をした者が、

貸主に対し手形上の債務のみを負担したものか、

あるいは更に進んで手形振出の原因となった

消費貸借上の債務までも保証したものかは、

具体的な場合における当事者の意志解釈によって定まるものである。

 

前示事実によれば、本件貸金は、

上告人とは旧知の被上告人の紹介により始まった

上告人・訴外会社間の金銭消費貸借のうち三回目のものであって、

被上告人は、右貸借の都度、訴外会社の代表者である

Eに同行して上告人と直接会い、その場において、

上告人の求めに応じ、訴外会社振出の約束手形に

保証の趣旨で裏書をして上告人に交付し、

訴外会社の支払拒絶後は、本件貸金の弁済を求める

上告人の強い意向に沿う行動をとったことが明らかである。

 

また、記録によれば、上告人と訴外会社との間で右各手形とは

別に借用証書等が授受されたことはなく、

上告人と被上告人との間においても同様であることが窺われる。

 

以上の事実関係の下においては、上告人とすれば、

当初から被上告人の信用を殊更に重視し、

本件手形に裏書を求めた際も、手形振出の原因である

本件貸金債務までも保証することを求める意思を有し、

被上告人も、上告人のかかる意思及び

右債務の内容を認識しながら裏書を応諾したことを

推知させる余地が十分にあるというべきである。

 

そうとすれば、他に特段の事情がない限り、

上告人と被上告人との間において、

本件貸金債務につき民法上の保証契約が

成立したものと推認するのが相当である。

 

原判決の引用する最高裁昭和五一年(オ)

第一一八七号同五二年一一月一五日第三小法廷判決・

民集三一巻六号九〇〇頁は、金銭を借用するに当たり、

借主がその振出に係る約束手形になんぴとか確実な

保証人の裏書をもらってくるよう貸主から要求され、

借主の依頼を受けた者が、貸主となんら

直接の交渉を持つことなく右手形の裏書に応じた場合に関するものであって、

事案を異にし、本件に適切でない。

 

したがって、原判決には、法令違背、

ひいては審理不尽、理由不備の違法があるものというべく、

論旨は、この趣旨をいうものとして理由がある。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク