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【判例】抵当権と併用して賃借権設定仮登記を経由した者の後順位短期賃借権者に対する明渡請求の可否 ( 平成元年6月5日最高裁)抵当権と併用して賃借権設定仮登記を経由した者の後順位短期賃借権者に対する明渡請求の可否

( 平成元年6月5日最高裁)

事件番号  昭和61(オ)1454

 

最高裁判所の見解

抵当権と併用された賃借権設定予約契約とその仮登記は、

抵当不動産の用益を目的とする真正な賃借権ということはできず、

単に賃借権の仮登記という外形を具備することにより

第三者の短期賃借権の出現を事実上防止しようとの意図のもとに

なされたものにすぎないというべきである

(最高裁昭和五一年(オ)第一〇二八号同五二年二月一七日第一小法廷判決・

民集三一巻一号六七頁参照)から、

その予約完結権を行使して

賃借権の本登記を経由しても、

賃借権としての実体を有するものでない以上、

対抗要件を具備した後順位の短期賃借権を

排除する効力を認める余地はないものというべきである。

 

4 したがつて、以上と異なり、

対抗要件を具備した第三者の後順位短期賃借権を

排除する目的の限度で本登記をした併用賃借権の

効力を認める原審の判断は、

法令の解釈、適用を誤つた違法があるものといわざるを得ず、

右違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、

この違法をいう論旨は理由があり、原判決中、

原審における被上告人の予備的請求を認容した部分は破棄を免れない。

 

そして、原審の適法に確定した前記事実関係に照らすと、

右説示に徴し、原審における被上告人の

上告人A1、同A2に対する予備的請求は理由がなく、

これを棄却すべきであるから、被上告人の同部分の

請求を棄却し、同上告人らのその余の上告及び上告人A3の上告を棄却すべきである。

 

附帯上告について

附帯上告は、上告理由と別個の理由に基づくものであるときは、

当該上告についての上告理由書提出期間内に

原裁判所に附帯上告状を提出してすることを要する(昭和三七年(オ)の

第九六三号同三八年七月三〇日第三小法廷判決・

民集一七巻六号八一九頁)ところ、

本件附帯上告理由が本件上告理由とは別個の理由(抵当権に基づく

本件土地建物の明渡を認めなかつたのは

違法であるとの論旨)に基づくものであること、

本件附帯上告状が提出されたのは平成元年三月二八日であり、

本件附帯上告状は、上告人A1、同A2に対し、

本件上告受理通知書が送達された日から五〇日をこえた後に

提出されたことは、記録上明らかである。

 

したがつて、本件附帯上告は、

不適法であるから、却下を免れない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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