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【判例】普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が違法な場合 (平成25年3月21日最高裁)普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が違法な場合

(平成25年3月21日最高裁)

事件番号  平成23(行ツ)406

 

この裁判では、

普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が違法であっても

私法上無効ではない場合において当該契約に基づく

債務の履行としてされた支出命令の適法性について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

(1) 地方自治法242条の2第1項4号に定める

普通地方公共団体の職員に対する損害賠償の請求は,

財務会計上の行為を行う権限を有する当該職員に対して

職務上の義務に違反する財務会計上の行為による

当該職員の個人としての損害賠償義務の

履行を求めるものにほかならないから,

当該職員の財務会計上の行為を捉えて

上記損害賠償の請求をすることができるのは,

たといこれに先行する原因行為に違法事由が存する場合であっても,

その原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が

財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに

限られると解するのが相当である

(最高裁昭和61年(行ツ)第133号平成4年12月15日

第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。

 

しかるところ,普通地方公共団体が締結した債務を負担する契約が

違法に締結されたものであるとしても,

それが私法上無効ではない場合には,

当該普通地方公共団体はその相手方に対しそれに基づく

債務を履行すべき義務を負うのであるから,

その債務の履行としてされる財務会計上の行為を行う権限を有する職員は,

当該普通地方公共団体において当該相手方に対する

当該債務を解消することができるときでなければ,

当該行為を行ってはならないという

財務会計法規上の義務を負うものではないと解される。

 

そして,当該行為が支出負担行為たる契約に基づく

債務の履行としてされる支出命令である場合においても,

支出負担行為と支出命令は公金を支出するために行われる

一連の行為ではあるが互いに独立した財務会計上の行為と

いうべきものであるから(最高裁平成11年(行ヒ)

第131号同14年7月16日第三小法廷判決・

民集56巻6号1339頁参照),

以上の理は,同様に当てはまるものと解するのが相当である。

 

そうすると,普通地方公共団体が締結した支出負担行為たる契約が

違法に締結されたものであるとしても,

それが私法上無効ではない場合には,

当該普通地方公共団体が当該契約の取消権又は

解除権を有しているときや,当該契約が著しく合理性を欠き

そのためその締結に予算執行の

適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し,かつ,

当該普通地方公共団体が当該契約の相手方に

事実上の働きかけを真しに行えば相手方において

当該契約の解消に応ずる蓋然性が大きかったというような,

客観的にみて当該普通地方公共団体が

当該契約を解消することができる特殊な事情があるときでない限り,

当該契約に基づく債務の履行として

支出命令を行う権限を有する職員は,

当該契約の是正を行う職務上の権限を有していても,

違法な契約に基づいて支出命令を行ってはならないという

財務会計法規上の義務を負うものとはいえず,

当該職員が上記債務の履行として行う支出命令が

このような財務会計法規上の義務に違反する

違法なものとなることはないと解するのが相当である

(最高裁平成17年(行ヒ)第304号同20年1月18日

第二小法廷判決・民集62巻1号1頁,

最高裁平成21年(行ヒ)第162号同年12月17日

第一小法廷判決・裁判集民事232号707頁参照)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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