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【判例】有責配偶者からの離婚請求が長期間の別居等を理由として認容すべきであるとされた事例 (昭和63年4月7日最高裁)有責配偶者からの離婚請求が長期間の別居等を理由として認容すべきであるとされた事例

(昭和63年4月7日最高裁)

事件番号  昭和62(オ)721

 

最高裁判所の見解

民法七七〇条一項五号所定の事由による離婚請求がその事由につき

専ら責任のある一方の当事者

(以下「有責配偶者」という。)からされた場合であつても、

夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において

相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、

相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に

極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが

著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、

当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて

許されないとすることはできないというのが当裁判所の判例である

(最高裁昭和六一年(オ)第二六〇号同六二年九月二日大法廷判決・

民集四一巻六号一四二三頁)。前記事実関係の下においては、

上告人と被上告人との婚姻については同号所定の事由があり、

上告人は有責配偶者というべきであるが、

上告人と被上告人との別居期間は、

原審の口頭弁論の終結時まででも約一六年に及び、

同居期間や双方の年齢と対比するまでもなく相当の長期間であり、

しかも、両者の間には未成熟の子がいないのであるから、

本訴請求は、右のような特段の事情がない限り、

これを認容すべきものである。

 

したがつて、右特段の事情の有無について審理判断することなく、

上告人の本訴請求を排斥した原判決には

民法一条二項、七七〇条一項五号の解釈適用を

誤つた違法があるものというべきであり、

この違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかであるから、

この趣旨の違法をいうものとして論旨は理由があり、

原判決は破棄を免れない。

 

そして、本件については、右特段の事情の有無につき

更に審理を尽くす必要があるうえ、

被上告人の申立いかんによつては離婚に伴う

財産上の給付の点についても審理判断を加え、

その解決をも図るのが相当であるから、

本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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