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【判例】業務上過失致死事件につき禁錮10月の実刑が破棄されて執行猶予が付された事例 (平成2年5月11日最高裁)業務上過失致死事件につき禁錮10月の実刑が破棄されて執行猶予が付された事例

(平成2年5月11日最高裁)

事件番号  平成1(あ)1105

 

最高裁判所の見解

本件は、被告人が軽四輪貨物自動車を運転して交差点を右折する際、

交通状況に対する注視・安全確認を怠ったことから、

横断歩道上の歩行者に衝突して死亡させたという

業務上過失致死の事案である。過失の態様、被害結果等に照らし、

被告人の刑事責任を軽視しえないことは当然である。

 

しかし、原判決によれば、本件においては、

被告人に一切前科がなく、その反省の情は特に顕著であって、

被告人は本件事故を契機に小学校教諭の職を辞し、

既に一定の社会的制裁を受けていること、

被告人が保険金のほかに自ら相当額を出捐して遺族との間に

示談を成立させており、被害者の夫からは被告人につき

寛大な処分を希望する旨の嘆願書が寄せられていること、

しかも現在母親として幼児を抱えるなどの家庭的状況にあること等の

事情が認められるというのである。

 

以上のような諸般の情状を総合考慮すれば、本件は、

刑の執行を猶予して然るべき事案と認められる。

 

したがって、被告人を禁錮一〇月に処した第一審判決及び

これを維持した原判決の量刑は、甚しく重きに過ぎ、

これを破棄しなければ著しく正義に反するものといわなければならない。

 

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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