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【判例】民法566条3項にいう一年の期間の性質 (平成4年10月20日最高裁)民法566条3項にいう一年の期間の性質

(平成4年10月20日最高裁)

事件番号  昭和63(オ)1543

 

最高裁判所の見解

商法五二六条は、商人間の売買における目的物に瑕疵又は

数量不足がある場合に、買主が売主に対して

損害賠償請求権等の権利を行使するための

前提要件を規定したにとどまり、同条所定の義務を

履行することにより買主が行使し得る権利の内容及び

その消長については、民法の一般原則の定めるところによるべきである。

 

したがって、右の損害賠償請求権は、

民法五七〇条、五六六条三項により、

買主が瑕疵又は数量不足を発見した時から

一年の経過により消滅すると解すべきであり、

このことは、商法五二六条の規定による

右要件が充足されたこととは関わりがない。

 

そして、この一年の期間制限は、

除斥期間を規定したものと解すべきであり、また、

右各法条の文言に照らすと、

この損害賠償請求権を保存するには、

後記のように、売主の担保責任を問う意思を

裁判外で明確に告げることをもって足り、

裁判上の権利行使をするまでの必要はないと解するのが相当である。

 

これを本件についてみるのに、

原審の確定したところによれば、

被上告人は昭和五四年一二月末ないし翌五五年一月初めに、

本件売買目的物に瑕疵があることを知ったものであるところ、

その瑕疵があったことに基づく損害賠償を求める本訴を

提起したのは、右の最終日から一年以上を

経過した昭和五八年一二月七日であったことが記録上明らかである。

 

そうすると、除斥期間の経過の有無について

何ら判断することなく、被上告人の請求を認容すべきものとした

原判決には理由不備の違法があり、

原判決はこの点において破棄を免れない。

 

そして、右に説示したところによれば、

一年の期間経過をもって、

直ちに損害賠償請求権が消滅したものということはできないが、

右損害賠償請求権を保存するには、少なくとも、

売王に対し、具体的に瑕疵の内容と

それに基づく損害賠償請求をする旨を表明し、

請求する損害額の算定の根拠を示すなどして、

売主の担保責任を問う意思を明確に告げる必要がある。

 

本件についても、被上告人が売買目的物の瑕疵の通知をした際などに、

右の態様により本件損害賠償請求権を行使して、

除斥期間内にこれを保存したものということができるか否かにつき、

更に審理を尽くさせるため、上告人の

民訴法一九八条二項の裁判を求める申立てを含め、

本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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