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【判例】民法724条後段の法意 (平成元年12月21日最高裁)民法724条後段の法意

(平成元年12月21日最高裁)

事件番号  昭和59(オ)1477

 

最高裁判所の見解

民法七二四条後段の規定は、不法行為によって

発生した損害賠償請求権の除斥期間を

定めたものと解するのが相当である。

 

けだし、同条がその前段で三年の短期の時効について規定し、

更に同条後段で二〇年の長期の時効を規定していると解することは、

不法行為をめぐる法律関係の速やかな確定を意図する同条の規定の趣旨に沿わず、

むしろ同条前段の三年の時効は損害及び加害者の認識という

被害者側の主観的な事情によってその完成が左右されるが、

同条後段の二〇年の期間は被害者側の認識のいかんを問わず

一定の時の経過によって法律関係を確定させるため請求権の

存続期間を画一的に定めたものと解するのが相当であるからである。

 

これを本件についてみるに、被上告人らは、

本件事故発生の日である昭和二四年二月一四日から

二〇年以上経過した後の昭和五二年一二月一七日に

本訴を提起して損害賠償を求めたものであるところ、

被上告人らの本件請求権は、すでに本訴提起前の

右二〇年の除斥期間が経過した時点で法律上当然に消滅したことになる。

 

そして、このような場合には、裁判所は、

除斥期間の性質にかんがみ、本件請求権が除斥期間の経過により

消滅した旨の主張がなくても、右期間の経過により

本件請求権が消滅したものと判断すべきであり、

したがって、被上告人ら主張に係る信義則違反又は

権利濫用の主張は、主張自体失当であって採用の限りではない。

 

してみると、被上告人らの本訴請求は、

その余の点について判断するまでもなく理由がなく、

これを棄却すべきものである。

 

しかるに、これと異なる見解に立って本訴請求を

一部認容した原判決は、民法七二四条後段の解釈適用を誤った違法があり、

その違法は判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、

この点の違法をいう論旨は理由があり、

その余の論旨について判断するまでもなく、

原判決中、上告人敗訴部分は破棄を免れない。

 

そして、以上判示したところと結論を同じくする

第一審判決は正当であるから、右部分に対する

控訴は理由がなくこれを棄却すべきものである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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