スポンサードリンク

【判例】液化石油ガス消費設備が民法717条にいう「土地ノ工作物」に当たるか (平成2年11月6日最高裁)液化石油ガス消費設備が民法717条にいう「土地ノ工作物」に当たるか

(平成2年11月6日最高裁)

事件番号  昭和61(オ)1512

 

最高裁判所の見解

同第六について

原審が適法に確定したところによれば、

(一) 本件ガス消費設備は、本件建物の外壁に沿って

集合装置を取り付け、ここにガスボンベを設置し、

ボンベのバルブから本件高圧ゴムホースで導管に、

導管でベーパーライザーに、それぞれ接続するという構造のものであって、

一体としてその機能を果たすものである、

(二) 導管は、下端を地中に埋め、

上端を本件建物の軒下に固定した鉄製パイプ、

本件建物の外壁及び本件建物に隣接する

作業場建物の外壁にそれぞれ金具で固定されていた、

(三) ベーパーライザーは、

本件建物内玄関前に打たれたコンクリート上に置かれ、

コンクリート面にビスを埋め込んで固定されていた、

(四) 本件高圧ゴムホースは、ねじと充てん剤で

接続されているもので比較的容易に着脱することができるものではあるが、

一年から数年程度の期間にわたり導管との接合を

同一にしたまま使用されるものである、というのである。

 

右の事実関係のもとにおいては、本件ガス消費設備は

それ自体一体として民法七一七条一項にいう土地の工作物に当たり、

本件高圧ゴムホースはその一部をなすものとした原審の判断は、

正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。

 

論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、

採用することができない。

 

同第二、第七について

本件ガス消費設備は、上告人が所有するもので

被上告人会社に無償で貸与していたものであり、

専ら上告人がその保守、管理及び操作を行うことが合意され、

上告人の従業員はガスボンベ取替えのため定期的に

集合装置の設置してある場所に出入りし、

被上告人らもこのことをあらかじめ許諾していたとの原審の認定は、

原判決挙示の証拠関係に照らし、首肯することができる。

 

原審は、右事実関係のもとにおいて、

上告人は、保守、管理及び操作に関しては

本件ガス消費設備に対し直接的、具体的な支配を及ぼしていたから、

民法七一七条一項に規定する占有者に当たるとしたものであって、

右判断は正当として是認することができる。

 

原判決に所論の違法はなく、論旨は、

原審の専権に属する証拠の取捨判断、

事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立って

原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

 

その余の上告理由について

所論の点に関する原審の認定判断は、

原判決挙示の証拠関係に照らして正当として是認することができ

(ちなみに、上告理由第九にいうBについての

損害「合計四五〇九万八二九八円」は、

被上告人Bの本訴請求金額であって、

原判決による認容金額ではない)、

その過程にも所論の違法はない。

 

論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、

又は独自の見解若しくは原審の認定しない事実に基づいて

原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク