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【判例】漁業生産組合が毎月その事業に従事する組合員に対し労務の提供の程度に応じて支払う報酬の法的性質 (平成3年12月3日最高裁)漁業生産組合が毎月その事業に従事する組合員に対し労務の提供の程度に応じて支払う報酬の法的性質

(平成3年12月3日最高裁)

事件番号  平成2(オ)989

 

最高裁判所の見解

漁業生産組合は、漁民が出資して組合員となり、

労働の協同化により漁業及びこれに附帯する事業を行うことを

目的とする生産のための組合である。法によれば、

漁業生産組合においては、組合員が中心となって

当該組合の営む漁業等の事業に従事し、

組合員はその出資額の割合又は事業に従事した程度に応じて

剰余金の配当を受けるものとされているが

(法八〇条、八一条、八五条参照)、漁業生産組合が、

漁夫等として当該組合の事業に従事した組合員に対し、

法八五条二項に規定する事業従事の程度による分量配当を行わず、

雇用した者に対するのと同様に、

毎月その労務の提供の程度に応じて所定の額の

報酬を支払うこととしても許されないものではないと解され、

実際にも、当該組合の事業に従事する組合員に対し

右のような報酬の支払をしているものがある。

 

この場合に組合員が労務の提供の程度に応じて

毎月支払を受ける報酬は、形式的には、

協同事業者として労務を提供しその成果の分配を受けるものというべきであるが、

その事業従事の実態は雇用関係に基づく一般の労働と

異なるところはないとみられるから、

右報酬は、実質的には労働の対償たる性質を有するものであって、

賃金と認めるのが相当である。また、

零細な漁業生産組合において、理事とはいえ、

専ら組合員として当該組合の事業である漁業に従事して、

役員報酬とは別に労務の提供の程度に応じた

報酬を受けている場合には、

右労務提供に対する報酬部分は、

実質的には賃金であると解するのが相当であり、

このように解しても、理事が当該組合の

使用人を兼務することを禁止している

法八六条二項、三六条の規定には違反しないものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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