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【判例】物上保証人に対する不動産競売において被担保債権の時効中断の効力が生ずる時期 (平成8年7月12日最高裁)物上保証人に対する不動産競売において被担保債権の時効中断の効力が生ずる時期

(平成8年7月12日最高裁)

事件番号  平成5(オ)1788

 

最高裁判所の見解

債権者から物上保証人に対する不動産競売の申立てがされ、

執行裁判所のした競売開始決定による差押えの効力が生じた後、

同決定正本が債務者に送達された場合には、

民法一五五条により、債務者に対し、

当該担保権の実行に係る被担保債権についての

消滅時効の中断の効力が生ずるが

(最高裁昭和四七年(オ)第七二三号同五〇年一一月二一日第二小法廷判決・

民集二九巻一〇号一五三七頁、

最高裁平成七年(オ)第三七四号同年九月五日第三小法廷判決・

民集四九巻八号二七八四頁参照)、

右の時効中断の効力は、競売開始決定正本が債務者に

送達された時に生ずると解するのが相当である。

 

けだし、民法一五五条は、時効中断の効果が

当該時効中断行為の当事者及びその承継人以外で

時効の利益を受ける者に及ぶべき場合に、

その者に対する通知を要することとし、

もって債権者と債務者との間の利益の調和を

図った趣旨の規定であると解されるところ

(前掲昭和五〇年一一月二一日第二小法廷判決参照)、

 

競売開始決定正本が時効期間満了後に債務者に送達された場合に、

債権者が競売の申立てをした時にさかのぼって

時効中断の効力が生ずるとすれば、

当該競売手続の開始を了知しない債務者が不測の不利益を被るおそれがあり、

民法一五五条が時効の利益を受ける者に対する通知を

要求した趣旨に反することになるからである。

 

したがって、右の場合に、債権者が競売の申立てをした時をもって

消滅時効の中断の効力が生ずるとの見解に立って、

上告人らの本件請求を棄却した原審の判断には、

法令の解釈適用を誤った違法があり、

右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。

 

論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。

そして、本件においては、被上告人は、

債務者であるDが昭和五七年一二月二二日に本件根抵当権の

被担保債務を承認したとの主張をしているので、

更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すことにする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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