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【判例】犬を連れた歩行者の転倒について同人を自転車に乗って追い抜いた者に不法行為法上責められるべき注意義務違反 (平成元年10月27日最高裁)犬を連れた歩行者の転倒について同人を自転車に乗って追い抜いた者に不法行為法上責められるべき注意義務違反

(平成元年10月27日最高裁)

事件番号  昭和62(オ)209

 

最高裁判所の見解

原審の確定した右事実関係のもとで案ずるに、

上告人は、被上告人が公道上を、降雨の中、

右手に洋傘をさし、左手に二本の引き綱に繋いだ

犬二匹を連れて上告人と同一方向に歩行しているのを認め、

被上告人と自転車とが接触しないように

その後方から走行して被上告人の右側を追い抜いた際、

被上告人の連れていた犬が驚いて不規則な動作をしたため、

被上告人が平衡を失い路上に転倒したというものであるが、

右転倒は、その状況に照らし、むしろ降雨の中、

被上告人が右手に洋傘をさし、

左手に犬二匹を連れて人車の通行する公道上を

不安定な体勢で歩行していたことに起因するとみるべきであり、

一方、犬の性癖等は様々であって、ことに自転車で接近したときの犬の

反応動静を予測することは一般的に困難であり、

特段の事情がない限り、犬が驚いて不規則な動作をすることによって

歩行者が転倒するということを予見することも困難であるところ、

本件においては、右特段の事情を認めることができないのであるから、

上告人には本件事故につき不法行為法上責められるべき

注意義務違反はないものというべきである。

 

してみると、被上告人の本訴請求は、その余の点について

判断するまでもなく理由がなく、これを棄却すべきものである。

 

しかるに、これと異なる見解に立って

本訴請求を一部認容した原判決は、

民法七〇九条の解釈適用を誤った違法があり、

その違法は判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであるから、

この点の違法をいう論旨は理由があり、

その余の論旨について判断するまでもなく、

原判決中、上告人の敗訴部分は破棄を免れない。

 

そして、以上判示したところと結論を同じくする

第一審判決は正当であるから、

右部分に対する控訴は理由がなく

これを棄却すべきものである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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