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【判例】生命保険の保険金受取人が死亡した場合における保険金受取人の変更に関する普通保険約款の解釈 (平成4年3月13日最高裁)生命保険の保険金受取人が死亡した場合における保険金受取人の変更に関する普通保険約款の解釈

(平成4年3月13日最高裁)

事件番号  昭和63(オ)1748

 

最高裁判所の見解

本件条項の趣旨は、保険金受取人と

指定された者(以下「指定受取人」という。)の

死亡後、保険金受取人の変更のないまま保険金の支払理由が発生して、

右変更をする余地がなくなった場合には、その当時において

指定受取人の法定相続人又は順次の法定相続人で

生存する者を保険金受取人とすることにあると解するのが相当である。

 

けだし、本件条項は、保険金の支払理由の発生前に限り

保険契約者又はその承継人が保険金受取人を

変更することができることを前提として、

指定受取人の死亡後に右変更がされていないときには、

保険金受取人が指定受取人の死亡時の

法定相続人に変更されたものとすると規定しているのであるから、

保険契約者又はその承継人が自らの意思で

保険金受取人を変更することができる間に

右法定相続人の保険金受取人としての地位が

確定することはあり得ず、この間に本件条項によって

保険金受取人とされた指定受取人の法定相続人が

死亡したときは更にその法定相続人が

保険金受取人に変更されたものとされる結果、

被保険者の死亡等により保険金の支払理由が

発生して保険金受取人を変更する余地がなくなったときは、

その当時において生存する指定受取人の法定相続人又は

順次の法定相続人の保険金受取人としての地位が

確定することになると解すべきであるからである。

 

また、第三者を保険金受取人とする生命保険契約を

締結する者の現時の一般的意識を前提とするときは、

保険金受取人が指定受取人の法定相続人である

保険契約者自身に変更されたものとされる場合でも

保険の性質が保険契約者自身のためにするものに

変わるものではないと解すべきであり、

本件条項の文言からもこの場合を別異に扱うべき理由はないから、

本件条項の趣旨は、保険金受取人とされた

保険契約者が死亡したときは、

保険金受取人は更にその法定相続人に

変更されたものとすることにあると解すべきであって、

死亡した保険契約者に保険金受取人としての

地位が残ると解すべきではない。

 

そして、このことは、商法六七六条二項の規定に関する判例

(大審院大正一〇年(オ)第八九八号同一一年二月七日判決・

民集一巻一号一九頁)の見解と一致するものであるから、

右規定と本件条項の文言の相違をとらえて本件条項が

商法の右規定と異なる趣旨を含むものと解すべきではない。

 

そうすると、本件においては、特約である本件条項が

優先して適用される関係にあるとしても、

その趣旨は、既に述べたところにあると解すべきであるから、

指定受取人であるEの死亡によって、

その法定相続人であるD、F及びGが保険金受取人としての

地位を取得すべきこととなり、さらに、

保険契約者兼被保険者であるDの死亡により、

F及び、Gが保険金受取人となりその地位が確定したのであるから、

結局、F、Gの両名が民法四二七条の規定により

平等の割合で保険金請求権を取得し、

Dの保険金請求権が同人の相続財産に帰属することはない。

 

以上によれば、右と異なる解釈の下に

被上告人の請求を認容した原判決には、

法律行為の解釈に法令の違背があり、

これが判決に影響することは明らかであるから、

この趣旨をいう論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。

 

そして、前記説示に徴すれば、

被上告人の本件保険金請求を棄却した

第一審判決は正当であるから、

被上告人の控訴を棄却することとする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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