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【判例】自動車運転者の予見義務、注意義務 ( 平成3年11月19日最高裁)自動車運転者の予見義務、注意義務

( 平成3年11月19日最高裁)

事件番号  平成2(オ)435

 

最高裁判所の見解

道路交通法三七条は、交差点で右折する車両等は、

当該交差点において直進しようとする車両等の進行妨害を

してはならない旨を規定しており、車両の運転者は、

他の車両の運転者も右規定の趣旨に従って行動するものと想定して

自車を運転するのが通常であるから、

右折しようとする車両が交差点内で停止している場合に、

当該右折車の後続車の運転者が右停止車両の側方から

前方に出て右折進行を続けるという違法かつ

危険な運転行為をすることなど、車両の運転者にとって

通常予想することができないところである。

 

前記事実関係によれば、上告人は、青色信号に従って

交差点を直進しようとしたのであり、

右折車である郵便車が交差点内に停止して

上告人車の通過を待っていたというのであるから、

上告人には、他に特別の事情のない限り、

郵便車の後続車がその側方を通過して自車の

進路前方に進入して来ることまでも予想して、

そのような後続車の有無、動静に注意して

交差点を進行すべき注意義務はなかったものといわなければならない。

 

そして、前記確定事実によれば、本件においては、

何ら右特別の事情の存在することをうかがわせるものはないのであるから、

上告人には本件事故について過失はないものというべきである。

 

そうすると、上告人に過失があるとした原審の判断は、

運転者の注意義務についての法令の解釈を誤ったものであり、

この違法が原判決に影響を及ぼすことは明らかである。

 

論旨は理由があり、他の上告理由について

判断するまでもなく原判決中上告人の敗訴部分は破棄を免れない。

 

そして、右に説示したところによれば、

被上告人らの請求は理由がないことに帰し、

これと結論を同じくする第一審判決は正当であるから、

右部分に対する被上告人らの控訴は理由がなく

これを棄却すべきものである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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