スポンサードリンク

【判例】複数の建物が廻廊等により接続されていた神宮社殿が一個の現住建造物に当たるとされた事例 (平成元年7月14日最高裁)複数の建物が廻廊等により接続されていた神宮社殿が一個の現住建造物に当たるとされた事例

(平成元年7月14日最高裁)

事件番号  昭和63(あ)664

 

最高裁判所の見解

原判決及びその支持する第一審判決の認定によると、

(1)平安神宮社殿は、東西両本殿、祝詞殿、内拝殿、

外拝殿(大極殿)、東西両翼舎、神楽殿(結婚儀式場)、

参集殿(額殿)、齋館、社務所、守衛詰所、神門(応天門)、

蒼龍楼、白虎楼等の建物とこれらを接続する東西の各内廻廊、

歩廊、外廻廊とから成り、中央の広場を囲むように

方形に配置されており、廻廊、歩廊づたいに各建物を

一周しうる構造になつていた、

(2)右の各建物は、すべて木造であり、廻廊、歩廊も、

その屋根の下地、透壁、柱等に多量の木材が使用されていた、

(3)そのため、祭具庫、西翼舎等に放火された場合には、

社務所、守衛詰所にも延焼する可能性を否定することができなかつた、

(4)外拝殿では一般参拝客の礼拝が行われ、

内拝殿では特別参拝客を招じ入れて神職により祭事等が行われていた、

(5)夜間には、権禰宜、出仕の地位にある神職各一名と

守衛、ガードマンの各一名の計四名が宿直に当たり社務所又は

守衛詰所で執務をするほか、出仕と守衛が午後八時ころから

約一時間にわたり東西両本殿、祝詞殿のある区域以外の

社殿の建物等を巡回し、ガードマンも閉門時刻から

午後一二時までの間に三回と午前五時ころに右と同様の場所を巡回し、

神職とガードマンは社務所、守衛は守衛詰所で

それぞれ就寝することになつていたというのである。

 

以上の事情に照らすと、右社殿は、

その一部に放火されることにより全体に危険が及ぶと考えられる

一体の構造であり、また、全体が一体として日夜人の起居に

利用されていたものと認められる。

 

そうすると、右社殿は、物理的に見ても、機能的に見ても、

その全体が一個の現住建造物であつたと認めるのが相当であるから、

これと同旨の見解に基づいて現住建造物放火罪の成立を

認めた原判決の判断は正当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク