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【判例】証券会社の不法行為責任 (平成9年4月24日最高裁)証券会社の不法行為責任

(平成9年4月24日最高裁)

事件番号  平成8(オ)390

 

最高裁判所の見解

原審の適法に確定した事実関係の概要は、

(1) 被上告人は、平成三年当時、

D送電工事株式会社の代表取締役を務める四三歳の男性で、

E証券F支店で一億円を超える株式の取引をしていた者であり、

Gは、上告人の本店営業部所属の従業員であった、

(2) Gは、平成三年一月一九日、かつて上告人の

H支店における株式等の取引により損失を

被ったことなどを理由に取引の開始を渋る被上告人に対し、

上告人として法令により禁止されている

利回り保証が可能であるかのように装い、

まとまった金を預ければ、高利回りの保証で

資金運用ができるとした上、年一五パーセントの

利回り保証の約束をして株式投資の勧誘をし、

その旨信用した被上告人に原判決末尾添付の

「売買取引計算書」番号3以下のとおりの取引をさせた、

(3) 右取引の多くは、Gが自己の裁量で行い、

被上告人には事後に報告していたものであり、

被上告人は、本件一連の取引により、

八〇〇〇万円を超える損失を被った、

(4) 被上告人は、本件利回り保証の約束が成立した後に

約束の書面化や履行を求めてはいるが、

自ら要求して利回り保証の約束をさせたわけではなく、

Gの申出にひかれて取引を開始したにすぎない、

(5) 右取引の過程で、上告人のI本店営業部長は、

被上告人に対し、Gによる利回り保証の約束を確認するとともに、

右約束ができる理由を具体的に説明し、また、

J本店営業議長も、Gの右約束を前提に利回り保証の率を修正の上、

取引を継続させた、というのである。

 

右事実関係の下においては、被上告人の不法性に比し、

上告人の従業員の不法の程度が極めて強いものと評価することができ、

上告人は不法行為に基づく損害賠償責任を免れないというべきであって、

このように解しても、民法七〇八条の趣旨に反するものではない。

 

これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができ、

原判決に所論の違法はない。

 

右判断は、所論引用の各判例に抵触するものではない。

論旨は採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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