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【判例】詐欺罪 (平成19年7月10日最高裁)詐欺罪

(平成19年7月10日最高裁)

事件番号  平成19(あ)156

 

この裁判は、

公共工事の請負者が,地方公共団体から使途を限定して

請負者名義の預金口座に振り込まれた前払金につき,

上記使途に沿った支払と偽って,払出しに係る金員を

領得したことが詐欺罪に当たるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

前記事実関係によれば,被告人は,

A建設被告人名義の前払金専用口座に入金された金員について,

前払金としての使途に適正に使用し,

それ以外の用途に使用しないことを羽曳野市及び

保証事業会社との間でそれぞれ約しており,

B銀行藤井寺支店との関係においても同口座の預金を

自由に払い出すことはできず,あらかじめ提出した

「前払金使途内訳明細書」と払出請求時に提出する

「前払金払出依頼書」の内容が符合する場合に限り,

その限度で払出しを受けられるにすぎないのであるから,

同口座に入金された金員は,

同口座から被告人に払い出されることによって,

初めて被告人の固有財産に帰属することになる関係にある

(最高裁平成12年(受)第1671号同14年1月17日

第一小法廷判決・民集56巻1号20頁参照)。

 

すなわち,上記前払金専用口座に入金されている金員は,

いまだ被告人において自己の財産として自由に処分できるものではない。

 

一方,B銀行藤井寺支店も,保証事業会社との間で,

前払金専用口座に入金された金員の支払に当たって,

被告人の払出請求の内容を審査し,

使途が契約内容に適合する場合に限って

払出しに応じることを約しており,

同口座の預金が予定された使途に従って

使用されるように管理する義務を負っている。

 

そうすると,被告人らにおいて,

A建設の運転資金に充てる意図であるのに,

その意図を秘して虚偽の払出請求をし,

同支店の係員をして,下請業者に対する前払金の支払と

誤信させて同口座から前記C土木名義の口座に

400万円を振込入金させたことは,

同支店の上記預金に対する管理を侵害して払出しに係る

金員を領得したものであり,

詐欺罪に該当するものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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