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【判例】共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当し抵当権が消滅したときの取消しの範囲及び原状回復の方法 (平成4年2月27日最高裁)共同抵当の目的とされた不動産の売買契約が詐害行為に該当し抵当権が消滅したときの取消しの範囲及び原状回復の方法

(平成4年2月27日最高裁)

事件番号  平成1(オ)1668

 

最高裁判所の見解

共同抵当の目的とされた数個の不動産の全部又は

一部の売買契約が詐害行為に該当する場合において、

当該詐害行為の後に弁済によつて右抵当権が消滅したときは、

売買の目的とされた不動産の価額から右不動産が負担すべき

右抵当権の被担保債権の額を控除した残額の限度で

右売買契約を取り消し、その価格による賠償を命ずるべきであり、

一部の不動産自体の回復を認めるべきものではない

(最高裁昭和三〇年(オ)第二六〇号同三六年七月一九日大法廷判決・

民集一五巻七号一八七五頁、同六一年(オ)第四九五号

同六三年七月一九日第三小法廷判決・裁判集民事一五四号三六三頁参照)。

 

そして、この場合において、詐害行為の目的不動産の価額から

控除すべき右不動産が負担すべき右抵当権の

被担保債権の額は、民法三九二条の趣旨に照らし、

共同抵当の目的とされた各不動産の価額に応じて

抵当権の被担保債権額を

案分した額(以下「割り付け額」という。)によると

解するのが相当である。

 

そうすると、前示事実関係によれば、

Dと上告会社との間の本件(一)(二)物件の売買契約は詐害行為に該当し、かつ、

右売買契約当時本件(一)(二)物件及び本件(五)(六)(八)物件を

共同抵当の目的として設定されていた根抵当権が、

その後その被担保債権三〇〇〇万円が弁済されたことにより消滅し、

根抵当権設定登記の抹消登記がされたというのであるから、

右被担保債権額三〇〇〇万円を本件(一)(二)物件の価額と

本件(五)(六)(八)物件の価額に応じて案分して、

本件(一)(二)物件が負担すべき割り付け額を

算出した上、本件(一)(二)物件の価額から右割り付け額を

控除した残額の限度で、上告会社に対し、

その価格賠償を命ずるべきところ、これと異なる見解に立って、

Dと上告会社との間の本件(一)(二)物件の売買契約の全部の取消しを認め、

上告人両名に対し、それぞれ、本件(一)(二)物件につき

順次経由された各所有権移転登記の

各抹消登記手続をすることを命じた原判決には、

民法四二四条の解釈を誤つた違法があって、

この違法が判決の結論に影響を及ぼすことは明らかであり、

ひいて審理不尽の違法があるものといわなければならない。

 

論旨は理由があり、原判決中上告人ら敗訴部分は破棄を免れない。

そして、右部分については、

本件(一)(二)(五)(六)(八)物件の価額等取消しの範囲につき

更に審理を尽くさせる必要があるから、

本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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