所得税法違反被告事件
(平成12年2月8日最高裁)
事件番号 平成9(あ)1255
最高裁判所の見解
上告趣意のうち、所得税法一二条について憲法三一条、八四条違反をいう点は、
所得税法一二条の文言が所論のように不明確であるとはいえないから、
前提を欠き、判例違反をいう点は、事案を異にする判例を
引用するものであって、本件に適切でなく、その余は、
単なる法令違反、事実誤認、量刑不当の主張であり、
被告人本人の上告趣意は、事実誤認、量刑不当の主張であって、
いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない
(なお、原判決が有価証券売買益等の収益の帰属者の判断基準として、
誰が売買の意思決定を行っていたかが
最も重要と解すべきであると判示する部分には、
直ちに是認し難い点もあるが、
これによりほ脱税額の認定に影響を及ぼし得るのは、
利子所得及び配当所得のうちの被告人の父の生前の分にとどまり、
本件ほ脱税額の総額の中で占める割合は極めてわずかなものにすぎず、
実質的な相違をもたらすものではないから、
いまだ刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。)。
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