民法424条,民法425条
(平成13年11月16日最高裁)
事件番号 平成12(受)1666
最高裁判所の見解
詐害行為の取消しの効果は相対的であり,取消訴訟の当事者である
債権者と受益者との間においてのみ当該法律行為を無効とするに止まり,
債務者との関係では当該法律行為は依然として有効に存在するのであって,
当該法律行為が詐害行為として取り消された場合であっても,
債務者は,受益者に対して,当該法律行為によって目的財産が
受益者に移転していることを否定することはできない。
そうすると,上告人が本件商標権の使用許諾契約を締結して,
F株式会社から支払を受けた使用許諾料は,
訴外会社との関係で法律上原因がないとはいえない。
以上のとおり,訴外会社は上告人に対して
不当利得返還請求権を有しないのであるから,
被上告人の債権者代位権に基づく商標権使用許諾料相当額の
支払請求を認容した原審の判断には,
民法424条,425条の解釈適用を誤った違法があるといわざるを得ない。
この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。
論旨は理由があり,原判決中被上告人の上告人に対する
金銭支払請求に係る部分は破棄を免れない。
以上説示したところによれば,被上告人の上告人に
対する金銭支払請求は理由がなく,
これと結論を同じくする第1審判決は正当であって,
金銭支払請求に係る部分についての被上告人の控訴を棄却すべきである。
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