譲渡禁止の特約

(平成21年3月27日最高裁)

事件番号  平成19(受)1280

 

この裁判では、

譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が

同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することの可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

(1) 民法は,原則として債権の譲渡性を認め(466条1項),

当事者が反対の意思を表示した場合には

これを認めない旨定めている(同条2項本文)ところ,

債権の譲渡性を否定する意思を表示した譲渡禁止の特約は,

債務者の利益を保護するために付されるものと解される。

 

そうすると,譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は,

同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しないのであって,

債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの

特段の事情がない限り,その無効を主張することは

許されないと解するのが相当である。

 

(2) これを本件についてみると,前記事実関係によれば,

被上告人は,自ら譲渡禁止の特約に反して

本件債権を譲渡した債権者であり,

債務者であるAは,本件債権譲渡の無効を主張することなく

債権者不確知を理由として本件債権の債権額に

相当する金員を供託しているというのである。

 

そうすると,被上告人には

譲渡禁止の特約の存在を理由とする

本件債権譲渡の無効を主張する独自の利益はなく,

前記特段の事情の存在もうかがわれないから,

被上告人が上記無効を主張することは

許されないものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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