アジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件

(平成16年11月29日最高裁)

事件番号  平成15(オ)1895

 

最高裁判所の見解

財産及び請求権に関する問題の解決並びに

経済協力に関する日本国と大韓民国との間の

協定(昭和40年条約第27号)の締結後,

旧日本軍の軍人軍属又はその遺族であったが日本国との

平和条約により日本国籍を喪失した大韓民国に

在住する韓国人に対して何らかの措置を講ずることなく

戦傷病者戦没者遺族等援護法附則2項,

恩給法9条1項3号の各規定を存置したことが

憲法14条1項に違反するということができないことは,

当裁判所の大法廷判決(最高裁昭和37年(オ)

第1472号同39年5月27日大法廷判決・

民集18巻4号676頁,最高裁昭和37年(あ)第927号

同39年11月18日大法廷判決・

刑集18巻9号579頁等)の趣旨に徴して明らかである

(最高裁平成10年(行ツ)第313号同13年4月5日第一小法廷判決・

裁判集民事202号1頁,前掲平成13年11月16日第二小法廷判決,

最高裁平成12年(行ツ)第191号同14年7月18日第一小法廷判決・

裁判集民事206号833頁参照)。

 

したがって,論旨は採用することができない。

 

3 同第1の2のうち,財産及び請求権に関する問題の解決並びに

経済協力に関する日本国と大韓民国との間の

協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律

(昭和40年法律第144号)の憲法17条,

29条2項,3項違反をいう部分について

第二次世界大戦の敗戦に伴う国家間の財産処理といった事項は,

本来憲法の予定しないところであり,

そのための処理に関して損害が生じたとしても,

その損害に対する補償は,戦争損害と同様に

憲法の予想しないものというべきであるとするのが,

当裁判所の判例の趣旨とするところである

(前掲昭和43年11月27日大法廷判決)。

 

したがって,上記法律が

憲法の上記各条項に違反するということはできず,

論旨は採用することができない

(最高裁平成12年(オ)第1434号

平成13年11月22日第一小法廷判決・

裁判集民事203号613頁参照)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク