ゴルフクラブの預託金制の平日会員としての入会契約について会員権の譲渡を禁止する特約

(平成7年1月20日最高裁)

事件番号  平成6(オ)1361

 

最高裁判所の見解

本件平日会員権は、一定の入会保証金を支払い、

平日において施設の利用をすることができる権利であって、

このようないわゆる預託金制のゴルフクラブ会員権は、

その性質上譲渡が許されないものではなく、

これを譲渡禁止とするかどうかは

入会契約の当事者の合意にゆだねられている。

 

本件入会契約の関係書類には、

本件平日会員権の譲渡を禁止する旨は直接明記されていないものの、

前記募集要項は、正会員の株式の譲渡が自由であること

(すなわち、正会員権の譲渡が自由であること)に続けて

平日会員の入会保証金の返還について述べながら、

平日会員権の譲渡の可否については触れていない。

 

しかも、家族会員は、正会員の家族であるという資格によって

入会するものであるから、その会員権を独立して

他に譲渡することはできないと解されるが、

右募集要項は、平日会員と家族会員を全く同列に扱っている。

 

そして、さらに、平日会員権の譲渡が禁止されていないのであれば、

上告人にとって名義書換料が重要な収入源になるはずであるのに、

正会員の名義書換料を定めながら、

平日会員については名義書換料があらかじめ定められていないことや、

昭和五〇年九月の規約変更はそれまでの平日会員にとって

極めて不利益なものであるのに、本件平日会員権の旧会員らは、

この規約変更に異議を唱えることなく、

本件クラブの施設利用を継続していたことをも併せ考えると、

本件入会契約には会員権の譲渡を禁止する特約が

付されていたものというべきである。

 

したがって、本件入会契約には会員権の譲渡を

禁止する特約が付されていなかったとした原審の認定判断は、

経験則の適用を誤ったものといわざるを得ず、

右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、

この点をいう論旨は理由があり、

その余の論旨について判断するまでもなく、

原判決は破棄を免れない。

 

四 以上説示したとおり、原審の認定した事実を総合すれば、

本件入会契約には会員権の譲渡を禁止する特約が

付されていたものというべきであるから、

被上告人らの請求を棄却した第一審判決は、

正当として是認すべきものであって、

被上告人らの控訴を棄却すべきである。

 

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