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【判例】マンションの管理人室が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分に当たらないとされた事例 (平成5年2月12日最高裁)マンションの管理人室が建物の区分所有等に関する法律にいう専有部分に当たらないとされた事例

(平成5年2月12日最高裁)

事件番号  平成2(オ)1369

 

最高裁判所の見解

原審の適法に確定した事実は、次のとおりである。

 

(1) 本件管理人室は、床面積三七・三五平方メートルで、

和室二間、台所、便所、風呂場、廊下及び玄関出入口から成るが、

同室内には、警報装置、配電盤、点消灯装置などの

共用設備は存在しないし、電話も設置されておらず、

鉄製で施錠可能な玄関ドアがあり、これを利用して、

隣接する管理事務室を利用しないでも外部との出入りができる。

 

(2) しかしながら、本件マンションは、

地上七階建、延床面積九一六七・一五平方メートルで、

専有部分として、一、二階に店舗、駐車場、倉庫等を、

二階以上に区分所有の対象となっている居宅一〇八戸を有し、

本件管理人室が存在する一階には住居部分は存在しない。

 

(3) 本件管理人室は、共用部分である玄関、

ロビー、エレベーター及び階段に接しており、

本件管理人室に隣接して、床面積八・二八平方メートルの

共用部分である管理事務室があり、その玄関・ロビーに面した側に

開閉可能なガラス窓及びカウンターが設けられていて、

本件マンションに出入りする人との応対や

その監視ができる構造になっており、火災、溢水などの

警報装置、配電盤、共用部分の電灯の点消灯装置などの

共用設備が設けられている。

 

(4) 本件管理人室の床と右管理事務室の床との間には段差がなく、

その境にあるガラス引戸を開閉して

自由に行き来することができるようになっており、また、

右管理事務室には、管理人が常駐するのであれば

不可欠の設備というべき便所がなく、

管理関係の書類を保管する上でも支障が生ずるほど狭いものである。

 

(5) 本件マンションの区分所有の対象となる居宅の販売に当たって

頒布されたパンフレットや、右居宅の区分所有者と

上告人A商事株式会社との間の管理委託契約書に

添付の管理費一覧表には、管理事務室の表示と共に

管理人室の表示があり、本件マンションの設計図(仕上表)には、

本件管理人室と前記管理事務室が一体として

「管理人室」と表示されている。

 

右各事実を総合してみれば、本件マンションは、

比較的規模が大きく、居宅の専有部分が大部分を占めており、

したがって、本件マンションにおいては、

区分所有者の居住生活を円滑にし、その環境の維持保全を図るため、

その業務に当たる管理人を常駐させ、

多岐にわたる管理業務の遂行に

当たらせる必要があるというべきであるところ、

本件マンションの玄関に接する共用部分である管理事務室のみでは、

管理人を常駐させてその業務を適切かつ円滑に遂行させることが

困難であることは右認定事実から明らかであるから、

本件管理人室は管理事務室と合わせて一体として

利用することが予定されていたものというべきであり、

両室は機能的にこれを分離することが

できないものといわなければならない。

 

そうすると、本件管理人室には、構造上の独立性があるとしても、

利用上の独立性はないというべきであり、本件管理人室は、

区分所有権の目的とならないものと解するのが相当である。

 

これと同旨の原審の判断は正当として是認することができ、

原判決に所論の違法はない。

 

所論引用の判例は事案を異にし、本件に適切でない。

論旨は、採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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