不当利得金返還等請求事件

(平成22年3月25日最高裁)

事件番号  平成21(行ヒ)42

 

この裁判は、

市が,職員の福利厚生のための事業を

委託している社団法人に支払った補給金のうち

退職した職員に対する退会給付金等の給付に充てられた部分につき,

同法人に対し不当利得金の返還請求権を有していた場合において,

同法人から退会給付金制度の廃止により不要となった補給金を

清算する趣旨で支払われた金員を

上記不当利得金の返還債務に充当する旨の市と

同法人との間の合意により,上記不当利得金の

返還請求権が消滅するとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

本件充当合意は,上告補助参加人が高槻市に対して

本件清算金を返還した時点でいったん生じていた,

清算金の返還に関する債権債務の消滅という効果を排除した上で,

改めて本件清算金を本件訴訟において請求すべきことが

求められている不当利得返還債務に

充当するというものであると解されるところ,

いったん弁済によって生じた法律上の効果を当事者双方の合意により

排除することは妨げられないものというべきであるから

(最高裁昭和33年(オ)第581号同35年7月1日

第二小法廷判決・民集14巻9号1641頁参照),

本件充当合意が清算金の返還に関する

債権債務の消滅後にされたことのみを理由として,

その効力を否定することはできない。

 

このことは,本件清算金について歳入の調定及び

収納がされたことによって左右されるものではない。

 

なお,被上告人は,本件充当合意につき,

実質的には債権の放棄を内容とするものであり

議会の議決を要するとか,公序良俗に反するなどとも主張するが,

前記事実関係の下では,上記各主張のようにいうことはできず,

その他,本件充当合意の効力を否定すべき理由は見当たらない。

 

したがって,高槻市が上告補助参加人に対して

有していた本件請求権は,

本件充当合意により,そのすべてが

消滅したものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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