中国人によるパチンコ店店員3名に対する強盗殺人事件

(平成14年6月11日最高裁)

事件番号  平成10(あ)310

 

最高裁判所の見解

上告趣意のうち,憲法36条違反をいう点は,

死刑制度が憲法の同規定に違反するものでないことは

当裁判所の判例(最高裁昭和22年(れ)第119号

同23年3月12日大法廷判決・

刑集2巻3号191頁)とするところであるから,

理由がなく,その余は,事実誤認,量刑不当の主張であって,

適法な上告理由に当たらない。

 

被告人Bの弁護人西山彬の上告趣意のうち,

憲法36条違反をいう点は,前記のとおり理由がなく,

その余は,判例違反をいう点を含め,実質は事実誤認,

量刑不当の主張であり,同被告人本人の上告趣意は,

事実誤認,量刑不当の主張であって,いずれも適法な上告理由に当たらない。

 

なお,所論(被告人Aの弁護人川村理,被告人Bの弁護人藤沢抱一,

同浅野史生の弁論を含む。)にかんがみ記録を調査しても,

刑訴法411条を適用すべきものとは認められない。

 

付言すると,本件強盗殺人事件は,中華人民共和国人である被告人両名が,

ほか1名の同国人と共に,売上金等をエレベーターで

運搬中のパチンコ店店員を襲って現金を強取しようと企て,

綿密な相談,鋭利な大型ナイフなどの凶器の準備,

再三の下見,襲撃の予行演習等を経た後,3名で犯行現場に至り,

エレベーター内で,集中的に,店員2名の頭部をナイフの柄尻や

木の棒で殴打し,その背部等をナイフ2丁を用いて

多数回突き刺すなどした上,現金約234万円を強取し,

さらに物音に気付いてエレベーターホールに駆けつけた

同店責任者の背部等をナイフで何度も突き刺すなどして,

3名とも殺害したという事案である。罪質は極めて悪質であり,

3名の生命を奪った結果は非常に重大である。

 

金目当ての計画的犯行であって,

動機及び犯行に至る経緯に酌量の余地はなく,

犯行態様も冷酷,非情,残虐である。これらの事情に加え,

各遺族の被害感情,社会に与えた影響等に照らすと,

未検挙の共犯者が被告人両名に比してより主導的であったことなど

被告人両名のために酌むべき事情を十分考慮しても,

被告人両名の罪責は誠に重大であり,

被告人両名をいずれも死刑に処した第1審判決を是認した

原判決の科刑は,当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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