交通事故の損害賠償と内縁関係

(平成19年4月24日最高裁)

事件番号  平成18(受)688

 

この裁判では、

内縁の夫の運転する自動車に同乗中に第三者の運転する自動車との

衝突事故により傷害を負った内縁の妻が第三者に対して

損害賠償を請求する場合にその賠償額を定めるに当たり

内縁の夫の過失を被害者側の過失として考慮することの可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

不法行為に基づき被害者に対して

支払われるべき損害賠償額を定めるに当たっては,

被害者と身分上,生活関係上一体を成すとみられるような

関係にある者の過失についても,

民法722条2項の規定により,いわゆる被害者側の過失として

これを考慮することができる

(最高裁昭和40年(オ)第1056号同42年6月27日

第三小法廷判決・民集21巻6号1507頁,最高裁昭和47年(オ)

第457号同51年3月25日第一小法廷判決・

民集30巻2号160頁参照)。

 

内縁の夫婦は,婚姻の届出はしていないが,

男女が相協力して夫婦としての共同生活を営んでいるものであり,

身分上,生活関係上一体を成す関係にあるとみることができる。

 

そうすると,内縁の夫が内縁の妻を同乗させて運転する自動車と

第三者が運転する自動車とが衝突し,

それにより傷害を負った内縁の妻が第三者に対して

損害賠償を請求する場合において,その損害賠償額を定めるに当たっては,

内縁の夫の過失を被害者側の過失として

考慮することができると解するのが相当である。

 

本件において,被上告人は,

内縁の夫であるAの運転する自動車に同乗していたところ,

同車と上告人運転の自動車とが衝突した本件事故により

傷害を負ったというのであるから,

上告人が被上告人に対して支払うべき損害賠償額を定めるに当たっては,

Aの過失を被害者側の過失として考慮することができるというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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