人工の砂浜の管理等の業務に従事していた者につき砂浜での埋没事故発生の予見可能性

(平成21年12月7日最高裁)

事件番号  平成20(あ)1678

 

この裁判は、

人工の砂浜の管理等の業務に従事していた者につき砂浜での

埋没事故発生の予見可能性が認められた事例です。

 

最高裁判所の見解

被告人らは,本件事故現場である人工の砂浜の

管理等の業務に従事していたものであるが,

同砂浜は,東側及び南側がかぎ形の突堤に接して

厚さ約2.5mの砂層を形成しており,

全長約157mの東側突堤及び全長約100mの南側突堤は,

いずれもコンクリート製のケーソンを並べて築造され,

ケーソン間のすき間の目地に取り付けられたゴム製防砂板により,

砂層の砂が海中に吸い出されるのを防止する構造になっていた。

 

本件事故は,東側突堤中央付近のケーソン目地部の防砂板が

破損して砂が海中に吸い出されることによって

砂層内に発生し成長していた深さ約2m,直径約1mの空洞の上を,

被害者が小走りに移動中,その重みによる同空洞の崩壊のため生じた

陥没孔に転落し,埋没したことにより発生したものである。

 

そして,被告人らは,本件事故以前から,

南側突堤沿いの砂浜及び東側突堤沿い南端付近の砂浜において

繰り返し発生していた陥没についてはこれを認識し,

その原因が防砂板の破損による砂の吸い出しであると考えて,

対策を講じていたところ,南側突堤と東側突堤とは,

ケーソン目地部に防砂板を設置して砂の吸い出しを

防ぐという基本的な構造は同一であり,本来耐用年数が

約30年とされていた防砂板がわずか数年で破損していることが

判明していたばかりでなく,実際には,本件事故以前から,

東側突堤沿いの砂浜の南端付近だけでなく,

これより北寄りの場所でも,

複数の陥没様の異常な状態が生じていた。

 

以上の事実関係の下では,被告人らは,

本件事故現場を含む東側突堤沿いの砂浜において,

防砂板の破損による砂の吸い出しにより陥没が

発生する可能性があることを予見することは

できたものというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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