人身保護請求棄却決定に対する特別抗告事件

(平成22年8月4日最高裁)

事件番号  平成22(ク)376

 

この裁判は、

子の父親が母親らに対し子の引渡し等を求める人身保護請求事件において,

人身保護法11条1項に基づく決定によるのではなく,

審問手続を経た上で判決により判断を示すべきであるとされた事例です。

 

最高裁判所の見解

人身保護法11条1項にいう

「請求の理由のないことが明白なとき」とは,

人身保護規則21条1項1号から5号までに規定する場合のほか,

これらに準ずる程度に請求に理由のないことが

明白な場合(同項6号)に限られる。

 

本件は,子の父親である抗告人が子を拘束している母親及び

その両親である相手方らに対して人身保護法に基づき

子の引渡し等を求める事案であるところ,抗告人は,

アメリカ合衆国ウィスコンシン州ミルウォーキー郡巡回裁判所の

確定判決により子の単独監護権者に指定され,原決定によれば,

上記確定判決は民訴法118条各号所定の

外国判決の承認の要件を満たしているというのであって,

その他の当事者の主張内容等に照らしても,

被拘束者を請求者の監護の下に置くことが

拘束者の監護の下に置くことに比べて

子の幸福の観点から著しく不当なものであることが

一見して明らかであるとすることはできない

(最高裁平成6年(オ)第1437号同年11月8日

第三小法廷判決・民集48巻7号1337頁参照)。

 

そうであれば,原審は,本件請求につき,

決定によりこれを棄却するのではなく,

審問手続を経た上で,判決により,

その判断を示すべきであったといわざるを得ない。

 

しかし,原決定にこのような問題がある場合であっても,

上級審においてこれを是正するのではなく,

改めて請求がされたときにこれを審理する裁判所において

審問手続を経た判断が行われることが,

法の予定するところである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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