会社更生手続の開始決定があった場合における未払のリース料債権の性質

(平成7年4月14日最高裁)

事件番号  平成3(オ)155

 

最高裁判所の見解

右の方式によるファイナンス・リース契約は、

リース期間満了時にリース物件に残存価値はないものとみて、

リース業者がリース物件の取得費その他の投下資本の

全額を回収できるようにリース料が算定されているものであって、

その実質はユーザーに対して

金融上の便宜を付与するものであるから、

右リース契約においては、リース料債務は契約の成立と同時に

その全額について発生し、リース料の支払が

毎月一定額によることと約定されていても、

それはユーザーに対して期限の利益を与えるものにすぎず、

各月のリース物件の使用と各月のリース料の支払とは

対価関係に立つものではない。

 

したがって、会社更生手続の開始決定の時点において、

未払のリース料債権は、期限未到来のものも含めて

その全額が会社更生法一〇二条にいう

会社更生手続開始前の原因に基づいて生じた

財産上の請求権に当たるというべきである。

 

そして、同法一〇三条一項の規定は、

双務契約の当事者間で相互にけん連関係に立つ

双方の債務の履行がいずれも完了していない場合に関するものであって、

いわゆるフルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約において、

リース物件の引渡しをしたリース業者は、

ユーザーに対してリース料の支払債務とけん連関係に立つ

未履行債務を負担していないというべきであるから、

右規定は適用されず、結局、未払のリース料債権が

同法二〇八条七号に規定する共益債権であるということはできないし、

他に右債権を共益債権とすべき事由もない。

 

四 そうすると、前記事実関係の下においては、

上告人は被上告人に対し、本件リース契約に基づく

未払のリース料債権を会社更生手続によらないで請求することはできず、また、

会社更生手続開始決定の後は、未払のリース料の支払を催告して

本件リース契約を解除することはできないというべきである。

これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができる。

論旨は、採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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