住民訴訟

(平成21年4月23日最高裁)

事件番号  平成19(受)2069

 

この裁判では、

地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第7項にいう

「相当と認められる額」の意義及び算定基準について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

地方自治法242条の2の定める住民訴訟は,住民が,

自己の個人的な権利利益の保護救済を求めて提起するものではなく,

地方財務行政の適正な運営を確保することを目的として,

自己を含む住民全体の利益のために,

いわば公益の代表者として提起するものであり,

これに勝訴すると,結果として

普通地方公共団体の財務会計上の違法な行為又は

怠る事実が防止され又は是正されることになる。

 

特に,旧4号住民訴訟は,住民が

普通地方公共団体に代わって提起するものであり,

この訴訟において住民が勝訴したときは,

そこで求められた是正等の措置が本来普通地方公共団体の

自ら行うべき事務であったことが明らかとなり,かつ,

これにより普通地方公共団体が現実に経済的利益を

受けることになるのであるから,住民がそのために

費やした費用をすべて負担しなければならないとすることは,

衡平の理念に照らし適当とはいい難い。

 

そこで,同条7項は,旧4号住民訴訟を提起した住民が

勝訴(一部勝訴を含む。)した場合に,

その訴訟を委任した弁護士に支払うべき報酬額の範囲内で

相当と認められる額の支払を普通地方公共団体に対して

請求することができることとしたのである。

 

法242条の2第7項の以上のような立法趣旨に照らすと,

同項にいう「相当と認められる額」とは,

旧4号住民訴訟において住民から訴訟委任を受けた弁護士が

当該訴訟のために行った活動の対価として

必要かつ十分な程度として社会通念上適正妥当と認められる額をいい,

その具体的な額は,当該訴訟における事案の難易,

弁護士が要した労力の程度及び時間,認容された額,

判決の結果普通地方公共団体が回収した額,

住民訴訟の性格その他諸般の事情を総合的に

勘案して定められるべきものと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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