佐賀県鳥栖市の一家3人殺人事件

(平成7年4月21日最高裁)

事件番号  平成1(あ)1317

 

最高裁判所の見解

記録によれば、本件犯行時における

被告人の完全な責任能力を肯定した原判断は、

正当として是認することができる。

 

2 本件は、被告人方の

水道の蛇口にホースを固定するための金具が紛失したことから、

近隣に居住するA(以下「A」という。)の長男B(中学生)が

これを窃取したものと邪推して、

右A方に赴いてAにその心当たりを執ように尋ねるなどし、

これに立腹した同人から激しい言葉を浴びせられるや

自宅から出刃包丁を持ち出して再び右A方に赴いたところ、

その際応対したAの態度に極度に激高して、

同人の胸部を右出刃包丁で二回にわたり

力一杯突き刺して同人を殺害し、さらに、

右出刃包丁で、被告人を制止しようとしたAの妻Cに対し、

その胸部、頸部等を突き刺しあるいは切りつけ、

必死になって逃げ回る右Bに対しても、

その胸腹部を突き刺し、頸部から背部にかけて滅多突きにするなどして、

右両名をも殺害したというものである。

 

右のような本件犯行の動機、態様及び結果に照らすと、

被告人の罪責は誠に重大というほかなく、

被告人が妄想型人格障害のため邪推曲解しやすい

傾向を有する軽度の精神薄弱者であって、

本件はそのような被告人が衝動的に犯した犯行であること、

被告人にはさしたる前科はないこと、

被害者らの遺族との間に和解が成立していることなど、

被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても、

原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、

やむを得ないものとして当裁判所もこれを是認せざるを得ない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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