供託金還付請求権確認及び譲受債権請求事件

(平成14年10月10日最高裁)

事件番号  平成14(受)240

 

この裁判では、

譲渡債権の発生年月日として始期のみが

記録されている債権譲渡登記をもって

始期当日以外の日に発生した債権の譲渡を

第三者に対抗することの可否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件報酬債権のうち,本件債権譲渡登記に記録された譲渡に係る

債権の発生年月日の始期当日に発生したものと本件供託に係るものとが

同一であるとの証拠はない。

 

2 債権譲渡登記に譲渡に係る債権の発生年月日の始期は記録されているが

その終期が記録されていない場合には,その債権譲渡登記に係る

債権譲渡が数日にわたって発生した債権を目的とするものであったとしても,

他にその債権譲渡登記中に始期当日以外の日に発生した債権も

譲渡の目的である旨の記録がない限り,債権の譲受人は,

その債権譲渡登記をもって,始期当日以外の日に発生した債権の譲受けを

債務者以外の第三者に対抗することができないものと解するのが相当である。

 

けだし,上記のような債権譲渡登記によっては,

第三者は始期当日以外の日に発生した債権が譲渡されたことを

認識することができず,その公示があるものと

みることはできないからである。

 

前記告示3(5)の項番24(債権発生年月日の始期)の条件欄には

「必須」,項番25(同終期)の同欄には「任意」と記載されているところ,

これらに付記された「(注4)」及び「(注5)」の記載を併せ考えれば,

債権の発生日が一つの日であるときは項番24の始期の記録のみで足りるが,

債権の発生日が数日に及ぶときは始期の外に

項番25の終期を記録するなどして

その旨を明らかにすることを要するものと解すべきであり,

後者の場合にも始期の記録のみで足りるという

趣旨に解するのは相当でない。

 

これを本件についてみると,前記事実関係によれば,

本件債権譲渡登記には,譲渡に係る債権の発生年月日として,

その始期は記録されているが終期は記録されていないというのであり,

他に本件債権譲渡登記中に本件報酬債権のうち始期当日以外の日に

発生したものが譲渡の目的であることをうかがわせる記録はないから,

上告人は,本件債権譲渡登記をもって,

本件報酬債権のうち始期当日以外の日に発生したものの

譲受けを被上告人に対抗することができないものというべきである。

 

そして,前記事実関係によれば,

本件報酬債権のうち始期当日に発生したものと

本件供託に係るものとが同一であるとの証拠はないというのであるから,

上告人は,本件報酬債権のうち本件供託に係るものの譲受けをもって

被上告人に対抗することができないことになる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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