信用協同組合の商人性

(平成18年6月23日最高裁)

事件番号  平成17(受)1192

 

この裁判では、

中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合は,

商法上の商人について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

中小企業等協同組合法に基づいて設立された信用協同組合は,

今日,その事業の範囲はかなり拡張されてきているとはいえ,

なお組合員の事業・家計の助成を図ることを

目的とする共同組織であるとの性格に

基本的な変更はないとみるべきであって,

その業務は営利を目的とするものではないというべきであるから,

商法上の商人には当たらないと解するのが相当であり

(最高裁昭和46年(オ)第781号同48年10月5日

第二小法廷判決・裁判集民事110号165頁,

最高裁昭和59年(オ)第557号同63年10月18日

第三小法廷判決・民集42巻8号575頁参照),

また,被上告人が商人であることは原審の何ら確定するところではないから,

本件預金契約が商法503条に規定する商行為に当たるということはできない。

 

さらに,上告人の業務は,上記のとおり,

営利を目的とするものではないから,

本件預金契約が商法502条8号に規定する商行為に

当たるということもできないし,原審の確定した事実に照らせば,

本件預金契約がその他の商行為に当たるということもできない。

 

以上によれば,上告人の本件預金契約に基づく債務は,

商法514条にいう「商行為によって生じた債務」

に当たるとはいえないから,

本件預金契約に基づく預金返還債務についての

遅延損害金の利率を商事法定利率とした原審の前記判断には

判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 

論旨は理由がある。そして,原審確定事実によれば,

本件預金契約に基づく債務の不履行については

民法所定の年5分の割合による遅延損害金を付すべきであるから,

原判決を主文のとおり変更するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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