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【判例】候補者の氏名に近似するが候補者の亡父でその地方において著名な政治家であった者の氏名に合致する記載のある投票 (平成5年2月2日最高裁)候補者の氏名に近似するが候補者の亡父でその地方において著名な政治家であった者の氏名に合致する記載のある投票

(平成5年2月2日最高裁)

事件番号  平成4(行ツ)185

 

最高裁判所の見解

原審が適法に確定したところによれば、

上告人の亡父A弘は、五期にわたりa県議会議員を勤め、

死亡した昭和六三年一〇月二七日当時は

県議会議長に就任しているなど、地元では著名な人物であり、

一方、上告人は、右亡父の死亡後にその後継者として

本格的な政治活動を開始したというのである。

 

この場合、右亡父の死亡及び葬儀の模様が

マスコミにより広く報道されたとしても、

本件選挙において、一般の有権者はもちろん、

投票所に出向いて特定の候補者を支持しようとする有権者も、

右亡父の死亡の事実を知らず又は忘却して、

その者がなお生存しているものと誤信することは

あり得るところである。

 

したがって、右事実関係の下において、原審が、

右亡父が地元で著名人であったこと及び

上告人の知名度が亡父と比較して低かったこと等から、

亡父が本件選挙に立候補しているものと誤認、

混同される客観的情況が存在しているとした上、

「Aひろし」と読み取れる本件投票については、

候補者たる上告人ではなく右亡父を表示したものと

推測すべきものが含まれており、本件選挙の候補者である

上告人の氏名を誤記したものにすぎないのか、

あるいは候補者でない上告人の亡父を

指向したものであるのかについては、

そのいずれとも認め難いので、

これを上告人に対する有効投票とは認めることができないとした判断は、

正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。

論旨はすべて採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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