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【判例】借地人の供託した賃料額が借地法12条2項の相当賃料と認められた事例 (平成5年2月18日最高裁)借地人の供託した賃料額が借地法12条2項の相当賃料と認められた事例

(平成5年2月18日最高裁)

事件番号  平成2(オ)1444

 

最高裁判所の見解

 

 

 

 

借地法一二条二項は、賃貸人から賃料の増額請求があった場合において、

当事者間に協議が調わないときには、賃借人は、

増額を相当とする裁判が確定するまでは、

従前賃料額を下回らず、主観的に

相当と認める額の賃料を支払っていれば足りるものとして、

適正賃料額の争いが公権的に確定される以前に、

賃借人が賃料債務の不履行を理由に

契約を解除される危険を免れさせるとともに、

増額を確認する裁判が確定したときには

不足額に年一割の利息を付して支払うべきものとして、

当事者間の利益の均衡を図った規定である。

 

そして、本件において、上告人は、被上告人から

支払の催告を受ける以前に、

昭和五七年一〇月一日から同六二年六月三〇日までの賃料を供託しているが、

その供託額は、上告人として被上告人の主張する

適正賃料額を争いながらも、従前賃料額に固執することなく、

昭和五九年七月一日からは月額一万一四〇円に増額しており、

いずれも従前賃料額を下回るものではなく、

かつ上告人が主観的に相当と認める額であったことは、

原審の確定するところである。

 

そうしてみれば、上告人には被上告人が

本件賃貸借契約解除の理由とする賃料債務の不履行はなく、

被上告人のした解除の意思表示は、

その効力がないといわなければならない。

 

もっとも、賃借人が固定資産税その他当該賃借土地に係る

公租公課の額を知りながら、これを下回る額を支払い又は

供託しているような場合には、その額は著しく不相当であって、

これをもって債務の本旨に従った履行ということはできないともいえようが、

本件において、上告人の供託賃料額が

後日賃料訴訟で確認された賃料額の約五・三分の一ないし

約三・六分の一であるとしても、

その額が本件土地の公租公課の額を下回るとの事実は

原審の認定していないところであって、

いまだ著しく不相当なものということはできない。

 

また、上告人において

その供託賃料額が本件土地の隣地の賃料に比べ

はるかに低額であることを知っていたとしても、

それが上告人において主観的に相当と認めた

賃料額であったことは原審の確定するところであるから、

これをもって被上告人のした

解除の意思表示を有効であるとする余地もない。

 

四 そうすると、原判決には

借地法一二条二項の解釈適用を誤った違法があり、

右違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであるから、

この点をいう論旨は理由がある。

 

そして、以上によれば、

被上告人の請求は理由がないことに帰するから、

原判決中上告人敗訴部分を破棄し、

第一審判決中右部分を取り消した上、

右部分に係る被上告人の本訴請求を棄却すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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