借地契約の更新拒絶に正当の事由がないとされた事例

(平成6年6月7日最高裁)

事件番号  平成3(オ)1948

 

最高裁判所の見解

借地法四条一項ただし書にいう正当の事由の有無は、

土地所有者側の事情のみならず借地権者側の事情をも

総合的にしんしゃくした上で、これを判断すべきものである

(最高裁昭和三四年(オ)第五〇二号同三七年六月六日大法廷判決・

民集一六巻七号一二六五頁参照)。

 

これを本件についてみるのに、前示事実関係によれば、

本件建物の賃借人である上告人らが、

Fの借地権が存在することを前提として

本件各土地を安価で買い受け、Fに対して

借地契約の更新拒絶の意思表示をしたという事情の下で、

財産的価値の高い借地権を相続したことにより

多額の相続税の支払をしなければならない状況にある被上告人らが、

その借地権を他に譲渡して得られる金銭を右相続税の支払に充てるために、

右譲渡許可を求める借地非訟事件の申立てをしたというのであり、また、

上告人らは、現に本件建物及び

その敷地である本件各土地を自ら使用しているのであって、

借地契約を終了させなくとも右の使用自体には支障がなく、

本件各土地の借地権が譲渡されたとしても、

その後の土地利用計画について譲受人らと

協議することが可能であるなどの事情があることが明らかである。

 

そうすると、右のような上告人らと被上告人ら

双方の事情を総合的に考慮した上で上告人らの更新拒絶につき

正当の事由があるということはできないとした原審の判断は、

正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。

論旨は採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク