借地法1条にいう「建物ノ所有ヲ目的トスル」もの

(平成7年6月29日最高裁)

事件番号  平成4(オ)1878

 

最高裁判所の見解

原審の確定した事実関係によれば、

本件賃貸借の目的は運動場用敷地と定められていて、

上告人と被上告人との間には、被上告人は本件土地を

幼稚園の運動場としてのみ使用する旨の合意が存在し、

被上告人は現実にも、本件土地を右以外の目的に使用したことはなく、

本件賃貸借は、当初その期間が二年と定められ、その後も、

公正証書又は調停により、これを二年又は四年ないし

五年と定めて更新されてきたというのであるから、

右のような当事者間の合意等及び賃貸借の更新の経緯に照らすと、

本件賃貸借は、借地法一条にいう

建物の所有を目的とするものではないというべきである。

 

なるほど、本件土地は、被上告人の経営する幼稚園の運動場として使用され、

幼稚園経営の観点からすれば隣接の園舎敷地と

不可分一体の関係にあるということができるが、

原審の確定した事実関係によれば、園舎の所有それ自体のために

使用されているものとはいえず、また、

上告人においてそのような使用を了承して賃貸していると

認めるに足りる事情もうかがわれないから、

本件賃貸借をもって園舎所有を目的とするものということはできない。

 

以上と異なる原審の判断には借地法一条の解釈適用を誤った違法があり、

右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。

 

この点をいう論旨は理由があり、

上告人のその余の論旨について判断するまでもなく、

原判決は破棄を免れず、更に審理を尽くさせるため、

本件を原審に差し戻すこととする。

 

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