債権譲渡の効力を第三者に対抗することの可否

(平成13年11月27日最高裁)

事件番号  平成10(オ)331

 

最高裁判所の見解

原審が適法に確定した事実関係等は,

次のとおりである。

 

(1) 訴外会社は,昭和59年7月2日,上告人に対して

本件預託金を預託し,本件ゴルフ会員権を取得した。

 

(2) 訴外会社と上告補助参加人とは,同月3日,

訴外会社が上告補助参加人に対して負担する債務の担保として

本件ゴルフクラブ会員権を上告補助参加人に譲渡することを予約し,

同債務につき訴外会社に不履行があったときは,

上告補助参加人の予約完結の意思表示により

本件ゴルフクラブ会員権譲渡の本契約を

成立させることができる旨の合意

(以下「本件譲渡予約」という。)をし,

そのころ,上告人は,確定日付のある証書により,

本件譲渡予約を承諾した。

 

(3) 上告補助参加人は,平成3年10月5日,

訴外会社に対し,本件譲渡予約を完結する旨の意思表示をしたが,

これによる本件ゴルフクラブ会員権の譲渡について,

確定日付のある証書による上告人への

通知又は上告人の承諾はされていない。

 

(4) 被上告人は,平成3年10月9日,

訴外会社に対する滞納処分として

本件ゴルフクラブ会員権を差し押さえ,

同日,差押通知書を上告人に送達した。

 

(5) 本件預託金の据置期間が経過し,

平成8年6月1日訴外会社が解散して

本件ゴルフクラブの会員資格を喪失したことから,

訴外会社は,本件預託金の返還請求権を取得した。

 

3 民法467条の規定する指名債権譲渡についての

債務者以外の第三者に対する対抗要件の制度は,

債務者が債権譲渡により債権の帰属に変更が生じた事実を

認識することを通じ,これが債務者によって

第三者に表示され得るものであることを根幹として

成立しているところ

(最高裁昭和47年(オ)第596号同49年3月7日

第一小法廷判決・民集28巻2号174頁参照),

指名債権譲渡の予約につき確定日付のある証書により

債務者に対する通知又はその承諾がされても,

債務者は,これによって予約完結権の行使により

当該債権の帰属が将来変更される可能性を了知するに止まり,

当該債権の帰属に変更が生じた事実を認識するものではないから,

上記予約の完結による債権譲渡の効力は,

当該予約についてされた上記の通知又は承諾をもって,

第三者に対抗することはできないと解すべきである。

 

これを本件についてみると,本件譲渡予約については

確定日付ある証書により上告人の承諾を得たものの,

予約完結権の行使による債権譲渡について

第三者に対する対抗要件を具備していない

上告補助参加人は,本件ゴルフクラブ会員権の譲受けを

被上告人に対抗することはできないといわなければならない。

 

以上と同旨に帰する原審の判断は是認することができ,

その過程に所論の違法はない。

所論引用の判例のうち,最高裁昭和42年(オ)第250号

同43年8月2日第二小法廷判決・

民集22巻8号1558頁は,本件と事案を異にし適切ではなく,

その余の判例は,上記判断と異なる解釈を採るものではない。

論旨は,独自の見解に立って原判決を論難するものに帰し,

採用することができない。

 

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