優良運転免許証交付等請求事件

( 平成21年2月27日最高裁)

事件番号  平成18(行ヒ)285

 

この裁判では、

自動車等運転免許証の有効期間の更新に当たり,

一般運転者として扱われ,優良運転者である旨の

記載のない免許証を交付されて更新処分を受けた者は,

当該更新処分の取消しを求める訴えの利益を有するかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

道路交通法は,優良運転者の実績を賞揚し,

優良な運転へと免許証保有者を誘導して交通事故の防止を図る目的で,

優良運転者であることを免許証に記載して

公に明らかにすることとするとともに,

優良運転者に対し更新手続上の優遇措置を講じているのである。

 

このことに,優良運転者の制度の上記沿革等を併せて考慮すれば,

同法は,客観的に優良運転者の要件を満たす者に対しては

優良運転者である旨の記載のある免許証を交付して

更新処分を行うということを,単なる事実上の措置にとどめず,

その者の法律上の地位として保障するとの立法政策を,

交通事故の防止を図るという制度の目的を全うするため,

特に採用したものと解するのが相当である。

 

確かに,免許証の更新処分において交付される免許証が

優良運転者である旨の記載のある

免許証であるかそれのないものであるかによって,

当該免許証の有効期間等が左右されるものではない。

 

また,上記記載のある免許証を交付して更新処分を行うことは,

免許証の更新の申請の内容を成す事項ではない。

 

しかしながら,上記のとおり,

客観的に優良運転者の要件を満たす者であれば

優良運転者である旨の記載のある免許証を交付して行う

更新処分を受ける法律上の地位を有することが肯定される以上,

一般運転者として扱われ上記記載のない免許証を交付されて

免許証の更新処分を受けた者は,上記の法律上の地位を

否定されたことを理由として,これを回復するため,

同更新処分の取消しを求める訴えの利益を有するというべきものである

 

(4) 本件更新処分は,被上告人に対し

優良運転者である旨の記載のない免許証を交付して

された免許証の更新処分であるから,

被上告人は,上記記載のある

免許証を交付して行う免許証の更新処分を受ける

法律上の地位を回復するため,本件更新処分の取消しを求める

訴えの利益を有するということができ,

本件更新処分取消しの訴えは適法であることとなる

 

また,その余の訴えにつき,

本件更新処分中の前記部分が

行政処分に当たらず,又は

その取消しを求める訴えの利益がないことを理由として,

これを不適法なものということはできないこととなる。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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