元警察官による連続強盗殺人事件

(平成9年12月19日最高裁)

事件番号  平成5(あ)570

 

最高裁判所の見解

上告趣意のうち、死刑に関して憲法三六条違反をいう点は、

死刑が所論憲法の規定に違反するものでないことは当裁判所の

判例(最高裁昭和二二年(れ)第一一九号同二三年三月一二日大法廷判決・

刑集二巻三号一九一頁)とするところであるから、

所論は理由がなく、被告人の自白に関して憲法三八条違反をいう点は、

記録を調査しても被告人の自白の任意性を疑うべき証跡は認められないから、

所論は前提を欠き、その余は、単なる法令違反、事実誤認の主張であり、

被告人本人の上告趣意のうち、自白に関して憲法違反をいう点は、

所論が前提を欠くことは前記のとおりであり、

その余は、違憲、判例違反をいう点を含め、

実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、

いずれも適法な上告理由に当たらない。

 

また、記録を調査しても刑訴法四一一条を

適用すべきものとは認められない

(本件は、、元警察官である被告人が、

在職中に犯したけん銃の窃盗事件及びこれを使用した

強盗致傷事件等により服役し、仮出獄の五日後である昭和五九年九月四日、

以前自らが勤務していた派出所の警察官(当時三〇歳)をおびき出し、

京都市内の公園内の路上において、

同人の身体をステンレス製の包丁で多数回突き刺した上、

実包入りのけん銃を強奪し、右けん銃の弾丸一発を

同巡査に向けて発射して殺害し、

その約三時間後に大阪市内の金融会社の店舗において、

右けん銃で従業員(当時二三歳)を射殺して

現金を強奪したという事案である。いずれも罪質は極めて悪質で、

動機に酌量の余地はなく、あらかじめ凶器を準備携行するなど

計画的犯行であって、犯行態様は冷酷、非情で残虐であり、

結果は重大である。

 

以上の諸事情に加え、各遺族の被害感情、社会に与えた影響、

前科関係等に照らすと、被告人の罪責は誠に重く、

原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、

当裁判所もこれを是認せざるを得ない。)。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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