免責約款による銀行の免責

(平成5年7月19日最高裁)

事件番号  平成1(オ)1473

 

最高裁判所の見解

銀行の設置した現金自動支払機を利用して

預金者以外の者が預金の払戻しを受けたとしても、

銀行が預金者に交付していた真正なキャッシュカードが使用され、

正しい番号が入力されていた場合には、

銀行による暗証番号の管理が不十分であったなど

特段の事情がない限り、銀行は、現金自動支払機により

キャッシュカードと暗証番号を確認して

預金の払戻しをした場合には責任を負わない旨の免責約款により

免責されるものと解するのが相当である。

 

原判決は、右の趣旨をいうものとして是認することができる。

論旨は、原判決の結論に影響のない説示部分を非難するか、

又は独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、

採用することができない。

 

なお、本訴請求に係る金員は、昭和五六年四月二三日、

被上告人及びその提携銀行の設置した

現金自動支払機から支払われたものであること、

当時被上告人が上告人を含む預金者に

交付していたキャッシュカードの磁気ストライプ上には、

預金者が被上告人に届け出た暗証番号がコード化されて

記録されていたことは、原審の適法に確定したところであるが、

所論中には、このようなキャッシュカードについては、

市販のカードリーダーをパーソナルコンピューターに接続することにより、

暗証番号を解読することができるから、

支払システムとしての安全性を欠き、

免責約款は無効であるとする部分がある。

 

しかし、所論の方法で暗証番号を解読するためには

コンピューターに関する相応の知識と技術が

必要であることは明らかである(なお、記録によれば、

本件支払がされた当時、このような解読技術は

それほど知られていなかったことがうかがえる。)から、

被上告人が当時採用していた現金自動支払機による

支払システムが免責約款の効力を否定しなければならないほど

安全性を欠くものということはできず、

右の点に関する論旨は採用することができない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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